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成育基本法がついに成立 2018

2017年に、このような

コラム「産後うつには休むこと、許すこと」を書いておりましたが、同じ頃にSNSで綴っていたことを記したいと思います。

「成育基本法」という言葉を聞いたことはありますでしょうか。

日本小児科医会、日本小児科学会などが、次世代を担う子どもたちが心身ともに健やかに成長していけるよう提案している、まだ、未成立の法案です。

驚くべきことですが、国内に子どもたちや産後の母親の健康や保健を総合的に守る力強い法律はありません。一方で、高齢者にはあるのです。1983年に高齢者医療と保健を統括する「老人保健法」という法律が施行され、2008年には「高齢者の医療の確保に関する法律」と改正され、総合的に高齢者の健康や保健を守る法律が施行されています。

法案に関する政治的な意見ではなく、協会の問題意識として子供たちの健やかな成育の為に、母親や両親のストレス緩和が必要だと考えます。

多くの先進国では、子育てを「次世代育成のための社会全体の問題」と捉え、子育て環境の整備に取り組んで来ました。日本では長らく子育てを「家庭の問題」として捉え、社会的な環境整備が不十分なまま放置されてきていることは、各家庭の中で孤立奮闘している・して来たお母さんなら肌で感じていることかと思います。願わくば、家庭の問題を家庭で解決できるような恵まれた環境にあればと思いますが、残念ながら産後の不満や辛さを訴える母親の声は表面化し続けています。産後2年間の離婚も後を絶ちません。

本能的に子供たちはとても可愛いものです。しかし、家庭内の父親や社会から浴びせられる言葉は感謝の言葉ではなく「できていないことの指摘」「他の母親の賞賛」「比較評価」これが母親を追い詰めてい、そこから自由になる術を持っている母親は本当に少ないことでしょう。
(ヨガ教室やマッサージに行ければ、きっと小さなことだと吹っ切れるのだと思いますが)

母親にとって子育てとは、危ないつり橋を子供を守りながら必死で、そして余裕のない中で子供たちと努めて笑顔で渡っていくような過程ではないでしょうか。それを下から見守り、あるいはゴールで両手を広げて待っていてくれる人がいればこそです。現代は、子育てに限りませんが、そうやってトライアンドエラーをしている人やあるいは若者たちに対しても、両手をひろげ抱きしめたり、トライアンドエラーを頑張れよ!と応援する人ではなく「渡り方が滑稽だ」「私だったらああいうことはしない」などと言葉先行で非難する物知り顔な大人が増えているような気がします。

自分がやってみたときの辛さや精一杯さは当人にしかわからないこと、それでも評価、非難はいとも簡単にできること、その危うさをヨガは説いてるのではと思います。
ヨガの教えの中に「非暴力」というものがあります。
最近、暴力の原因になっているものの中に「現実を見つめようとせず、勝手な思い込みによる強い発言」があるように感じました。

子育てとは、未熟なものを育てる寛容さを大人が持つことです。
その大人が、寛容さを失ってはいないでしょうか。

その結果、子どもの健全な育成を保障するための施策は立ち遅れ、子どもを産みにくく、育てにくい家庭、職場、社会環境となってしまっていることは、周知の通りだと思います。

子供のための政策以前に必要なものは、子供を育てる大人たちがもっとストレスを緩和することではないだろうか、と思うのです。
そういう視点も、成育基本法に盛り込んでもらえたら、と思っています。

一般社団法人日本ヨガメディカル協会では、育児ストレスにヨガを活用できる社会の実現に向け、アンケートを行なっております。拡散・ご協力をいただけるようですと幸いです。


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