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長時間ライドでの動きを補完するサイクリスト向けヨガクラス

都内の自転車チームのみなさんとYoga for Cyclistのクラスを楽しみました。下記、その日やったことを簡単にまとめたものです。

ヨガとは何か:補完することによってより充実させること
スポーツ選手にとっては、酷使したところはストレッチで休め、普段動かさないところは積極的に動かしていく、という補完アプローチをおこなうことにより「怪我の予防」「回復促進」「パフォーマンス向上」を目指していきます。

下記、一対一でそういうことではありませんが

関節の可動域アップ & 筋肉をあたためることによっての怪我の予防
酷使した筋群のストレッチによる疲労回復の排出(デトックス)、深い呼吸ができる体制(鎖骨をゆるめ、肩甲骨をゆるめ、腰をゆるめることで、深い横隔膜呼吸が睡眠中にとれるようにすること)による回復促進
左右のバランス(中心に引き寄せる力:体幹(内外腹筋群の強化、内股の強化、安定))肩甲骨の動きを良くすることによる腕の動きの微妙さをサポート、おへその奥への丹田の意識、下半身筋力の強化に寄る、全体重心を低く保つこと、四肢の可動域の向上によるパフォーマンスアップ)(実際はパフォーマンスアップにはメンタルの要素は無視できませんが、それについては後述します)

ここに書いたメニューをすべておこなうと、時間が1時間にはおさまりません。その日のトレーニングスケジュールとの兼ね合いで、適宜ピックアップしておこなっていただければと思います。

【ウォーミングアップ】 
首 脇の下 腕の前 足首 膝のうら

特に自転車選手は固定姿勢のため肩甲骨がロックされやすいです。
しかし一方で、肩甲骨の動きが悪いと微妙なバランスが要求される場で差がついてしまいます。
腕の内側の筋肉をゆるめていくことで、肩甲骨の動きが良くなります。
( = 腕の内側の筋肉ががちっと緊張していると、肩甲骨の動きが悪くなります)

【ヨガで意識していくのは筋肉ではなく関節】

スポーツ選手の特徴:筋肉は酷使している ヨガでは筋肉を酷使するのではなく むしろ関節の動きを意識しましょう。関節の動きが悪いままヨガのポーズをとっても、関節がその本来の動きをできないまま筋肉を伸ばそうとすることになります。すると、簡単そうに見えるヨガでさえ怪我をしてしまいます。

【手や指、手首や足首の関節をゆるめていきます】

指や手首、足首などを関節から曲げてみる、回してみる

【自分のことを抱きしめて呼吸してみましょう】

ヨガとは自分の呼吸とうまくつきあっていく練習です。自分のことをぎゅっと抱きしめて深呼吸をしてみると、自分の呼吸が体いっぱいありありと感じられます。みなさんのレースのとき、きっと調子のいいときの呼吸はペースがよく、調子が悪いときの呼吸は乱れているものです。ヨガが呼吸を意識するきっかけになればと思います。

【針の糸通しのポーズ:肩関節をゆるめていきます】

四つん這いになります。肩の真下に手首が、股関節の真下にひざがあるようにします。右手を伸ばし、左の脇の下にくぐらせ、右の肩を床につけ、体の重みで右肩をストレッチします。いけそうであれば、左手を天井に伸ばしてもいいでしょう。逆も同様にします。気持ちよく伸ばすコツは、息を吐きながら体重を預けていくことです。

【背骨のしなやかさを取り戻す:キャット & カウ】

四つん這いに戻ります。息を吸いながら、おへそをゆっくり地面に近づけながら、鎖骨を天井に向けて開いていくように、背中を反らします。一度息をホールドし、今度はゆっくり息を吐きだしながら、背骨をひとつひとつ丸め、おへそを床から限りなく遠ざけます。再び息をホールドし、背中を反らしていきます。
今、おこなったペースの、今度は3倍の遅さで行ってみると、骨盤と背骨のつなぎ目のストレッチが気持ちよく意識できてくると思います。この仙腸関節こそ、サイクリストの方々の競技姿勢において著しい負担がかかっている箇所と言えます。丁寧な呼吸で背骨や関節をマッサージするつもりで行いましょう。

ポイントは、胴体の動きをメインにし腕に力をかけなくてもいいぐらいの気持ちで行うことです。

【上半身の力を抜ききるポーズです:子供のポーズ】

ゆっくりお尻を踵の上に預け、腕は頭上に伸ばしたまま床に預けます。深呼吸をしながら、自分の太ももとお腹が押し合う感覚を感じましょう。

【自転車で使う機会の少ないわき腹:しっぽふりわんちゃんのポーズ】

四つん這いに戻ります。息を吸ってはきながら、左の肩越しに左のお尻をみるようにします。右も同様に。

【体幹をつくるポーズ:スパイナルツイスト】

四つん這いから、左足をお尻と同じ高さにあげ、右腕は肩と同じ高さにあげ、左足と右足で引っ張りあうようにします。逆も同様に行います。できるだけゆっくり行い、体が揺れないように。

【子供のポーズでお休みします】

【普段使っていない筋肉の目を覚ましましょう:体内サーチ】

四つん這いから、今度はお尻を動かさず、胸で輪を描くように上半身を動かしていきます。腕は自在に曲げたり伸ばしたりしましょう。普段自分が使っていない筋肉が目覚めていくように、使っていない筋肉をサーチライトで探していくようにからだの動くままに動かしていきます。今度は、腕を着く位置を少しずらしてみましょう。同様に上半身を回していきます。数え方にもよりますが、私たちの体には400以上の筋肉があります。でも、普段、私たちはいつも決まった筋肉しか使っていないと言われています。そのため、次第に体に歪みが生じてきます。私たちの体はとても賢く、普段使っていない筋肉(アクセサリーマッスル:アクセサリー(飾り物)になってしまっている筋肉)もちゃんと稼動させることによって、自律的にバランスをとっていくと言われています。体の歪みはいろんな原因から来ていることが多いため、手技で一時的に矯正したとしても、またもとに戻ってしまいます。それよりも、普段使っていない筋肉に努めて刺激を与えていくような心がけをする方が、体は応えてくれます。

【普段使っている筋肉は方向を変えて使ってみましょう:股関節回し】

四つん這いに戻った状態から、こんどは右足を体の真横に持ち上げ、太ももからではなく股関節からグルグルとまわしてみます。反対側にも回しましょう。左側も同様にします。自転車では、いつも同じ方向ばかりに股関節を使っていいます。その習慣を中和させるような動きをいれてみるわけです。

【硬いお尻をリラックス:お尻ペンペンのポーズ】

四つん這いから右足を後ろに伸ばし、ひざから下を内側に曲げ、かかとでお尻を叩くつもりで曲げてみます。
いつも酷使しているお尻の筋肉に違った刺激を与えてみましょう。

【長く反った背中を意識:スフィンクス】

うつぶせになります。そこから、肩の下に肘が来るように状態を持ち上げ、肘から手にかけては床に平行に伸ばします。お尻から、首の後ろまで長ーい背骨をつくるように、気持ちよく背中を伸ばします。あごは反らせず、むしろ軽く引くといいでしょう。

【伸びた背中をさらにゆるめましょう:お尻ふりふり】

普段自転車に乗っているとき、みなさんの背中は丸まり、固定されています。ヨガの時間は、無理のない範囲で体を反らしながら、動きを入れてみましょう。スフィンクスの状態で、お尻を左右に振って背中から脇を徐々にゆるめていきます。

【腰にお疲れさま:胸を開く機会を:子供のポーズのペアワーク】

2人組になります。ひとりは子供のポーズをとり、もう一人は、後ろ向きに子供のポーズの腰のあたりに腰を下ろします。子供のポーズをとっている方は、深い深呼吸をして太ももがお腹を圧迫する幹事を味わってみましょう。腰が伸びながら、呼吸も深まり、実は肩関節の可動域も広がっています。前に伸ばした手を、あと数ミリ前方に伸ばしてみるようにしましょう。

次に、座っている方は腰をあげ、つま先の前の床に後ろ向きで座り、背中を反らし頭から背中を相手の腰に預け、胸を開きます。双方ともに深い呼吸をしながら、呼吸の深まりを感じていきます。

交代して同様に行います。

【発達した太もものうらのストレッチ:下向きの犬のポーズ】

四つん這いから、足幅、手の幅を少しに広めにとります。そこからゆっくり、お尻を天井に向かってあげていきます。ひざは軽く曲げたままにしておきます。息を吸って準備をし、吐きながら、膝のうらを「気持ちいいぐらい」伸ばしながら、背中とわき腹を気持ちよく伸ばし、お尻を天井に近づけていきます。息を吸って再び膝のうらをゆるめます。

余裕があれば、その姿勢から片足ずつ天井に伸ばし、ひざを曲げます。普段酷使しているお尻の筋肉を逆方向にストレッチするポーズです。

【ランジのポーズ】
【戦士のポーズ2番とアーチャー】

前回はやらなかったので後日記載します。

【肩甲骨と腿の裏に心地良い刺激:ピラミッド】

かかととかかとが一直線になるように、足を前後に開きます。後ろの足は外側90度に開きます。背中で両指を組み背筋を伸ばします。息を吸って準備し、息を吐きながら肩甲骨をよせるように両肘を近づけます。また息を吸って準備し、息を吐きながら、股関節から上半身を前に倒していきます。できるだけ背中は丸めず、呼吸に体を委ねる感じで太ももからひざにかけての心地良いストレッチを感じましょう。
さらに、組んだ両手を天井に上げていくと、肩甲骨が腕の重みで気持ちよくストレッチされます。
自転車でいつも固定姿勢にさらされている肩甲骨に、逆刺激を与え、解放することで、新鮮な血液が流れ込みます。

【前屈のバランス】

これも前回はやらなかったので、後日記述します。前屈をしたあと、お尻が踵の上に来るように重心を移動し、バランスをとる。。難しいです。

【足の内側の意識を高める:空気椅子のポーズ】

太ももの間に、ペットボトルやバスタオル、その他挟めそうなものをはさめ、姿勢よく立ちます。
その状態から、両手を胸の前でクロスし、ひざが足首の上にある状態を保ちながら、お尻だけ地面に近づけていきます。その状態から、いけそうであれば両手をあたまの上に乗せ、あたまを天井に引き上げるように背中を伸ばします。これだけで結構腹筋を使います。さらにいけそうであれば、両手を天井に伸ばし、肩をリラックスさせながら腕は天井にさらに引き上げます。

さらにチャレンジャーなポーズ。両手を胸にクロス、に戻し、今度はそっとかかとを持ち上げバランスをとります。

以上のことを、今度は太ももの間にはさんだものを取り外してやってみると、いかに足の内側ウを意識することが難しいかがわかると思います。挟むことによって、そこに意識がいく、ということを感じてみましょう。

【姿勢を良くする:木のポーズは見かけより着実に】

両足を肩幅に広げ、片方の足のつま先を立て、ひざを外側に向けます。
ゆっくり、ひざを曲げながら床にある架空の「先祖代々の壷」あるいは「大切にしているヘルメット?」をそっとひろい、ひざを伸ばしながら、今度はできるだけ高い棚に乗せるつもりでできるだけ背伸びをして置くふりをします。おいたら、そっと両手を胸の前で会わせ「今日までこの壷が、あるいはこのヘルメットが無事であったこと」に感謝しましょう。

隣の人の姿勢をみてみましょう。さっきより背が高くなっていませんか?
反対の足も同様にします。

Wii Fit などでおなじみの木のポーズですが、猫背で行うより、着実に取り組んだ方が、体の軸は強化されます。

【いつでも立てる筋力とバランス力:深いスクワット】

足を肩幅より広めに開き、つま先を外側45度に向けます。両手を胸の前であわせ、息を吐きながらひざを曲げできるだけ深くお尻を床に近づけていきます。息を吸いながら、体がぐらぐらしないように、すっとあたまを天井に向かって伸ばし、ひざを曲げます。繰り返します。(このポーズはさすがにみなさん、足の筋力が抜群にあるせいか、まったくぐらぐらしませんでしたね。一般の人はつい力んでしまうポーズです)

【股関節が痛い方:梨状筋をゆるめるハトのポーズの簡単バージョン】

股関節を輪切りにしたときに走っている梨状筋。そこが緊張していると、座骨神経痛の原因になったりします。梨状筋の緊張に良い鳩のポーズですが、座ったまま楽しく取り組めます。

床に座り、片方のひざを立て、もう片方の足首を太ももの上に乗せ、ひざを外側にひらきます。これだけでも、お尻から太ももに書けて、足の重みでストレッチができています。もう少しほぐしたければ、かかとを乗せた足全体を、赤ちゃんを抱っこするように両腕で抱っこし、ゆらゆらと左右に揺すります。股関節がほぐれたら、今度は、足を受話器に見立て耳にあて「もしもし」と近くの人と電話してみましょう。いつも同一方向に使っている股関節を、縦横無尽にほぐしていきます。

【腰を斜めに伸ばそう!ひねりのポーズ】

ペアになり、一人がもう一人の腰に手を当て、手を当ててもらった人は腕を動かしてみましょう。腕が、腰から動いていることがわかりますか?つまり、とっさのときにバランスをとる腕の可動域は、腰を伸ばすと高まるのです。しかも、腰の主要な筋肉である「広背筋」「腰方形筋」は斜めにはしっています。ですので、縦に伸ばすより、ひねったり、脇を伸ばしたりして斜めに伸ばした方がよく伸びるのです。

座ったまま、片方のひざを立て、もう片方の足を、外側に開きながら立てた足の下をくぐらせます。足の組み方をふかめるために、くぐらせた方(床についている方)の足の側に、上体を少し傾かせ、両手を床につきます。その上体から、くぐらせた足を、もう少し深くくぐらせるようにします。上体をまっすぐに戻したら、今度は立てたひざに、反対側の手を乗せて、ひざを立てた方に腰からひねっていきます。息を吐きながら、心や体の中のいらないものを吐き出すようにひねっていきましょう。 腕の動きのみならず、腎臓の働きを高め、気分のリセットにもとてもいいポーズです。

【おきあがりこぼし:お尻でバランスをとれたなら】

ひざを抱え、体育座りをします。足をそっと床から離し、お尻で上半身と、下半身のバランスをとってみます。体を前後左右に揺らし、バランスをとろうとする自分の体を感じてみましょう。転がってしまっても大丈夫です。自転車に乗っているときも、お尻を中心にバランスがとれるかな、と体の重心バランスを観察してみましょう。

【酷使している股関節、なだめてあげましょう:仙骨を支えたガス抜きのポーズ】

バスタオルやヨガマットを少し厚めにたたみ、仙骨の下に置き仰向けになります。つまり、仙骨を中心にほんの少し体を反らせます。また、こうすることによって、硬い床に仙骨が当たらずストレッチができます。
息を吸って、右のひざを胸に抱え、左の足は床に伸ばします。息を吐きながら、右のひざをさらに胸に近づけ、左のかかとを向こう側に蹴り出すように、伸ばしていきます。まるで縮めた右の股関節と、伸ばした左足で互いに引っ張りあうような感覚です。息を吸ってゆるめ、息を吐いて再び引き寄せます。反対側も同様に行います。

右ー左、の順番で行うことで、腸の働きも活発になる(おならがでやすくなります)ガス抜きのポーズです。

【魚のポーズ】

今回はやらなかったので、後日記載します。自転車の前傾姿勢と、前傾の頸骨に逆刺激を与えるポーズです。

【片鼻呼吸法】

今回はやらなかったので、後日記載します。レース前後に心を鎮めるポーズです。

【シャバアサナ】

あおむけになって、目をとじ、薄暗い明かりの中で自分の体を観察しながらリラックスしていきましょう。
回復のために効率の良い方法につきましては、後日記述します。

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参加された方からのご相談を参照に、ヨガのアドバイスです。
ヨガは、西洋医学の治療のようにワンポイントで即効性のある治療はできません。しかし、体の使い方を変えていく、というメソッドで改善できる側面があるのではないか、という提案は試してみていただく価値はあるかもしれません。

【肩甲骨の内側の端が痛みます】

自転車の前傾姿勢と、腕の内側の緊張によって、肩甲骨に前に向かう力がかかり続けてしまっているのではないかと思います。時々、逆刺激を与えるためにも、息を吸って両肩をすくめ、そのまま後ろにひきます。息を吐きながら、ストン、と落としてみる、を繰り返してみましょう。また、腕の内側(胴体側)が縮んでいると、肩甲骨が肩関節につながっている烏口突起を経由し肩甲骨が前に引っ張られてしまいます。これが慢性化していると、どうしても肩甲骨の反対側、つまり内側のまわりの組織が疲弊してしまうかもしれません。腕の緊張は自転車競技のある意味宿命であり、まったくゼロにすることはできません。ですから、普通以上に心がけて、腕の内側を揉みほぐす習慣を日常生活に取り入れてみてはいかがでしょうか。ヨガの効能は物理的に腕の内側をゆるめられることにとどまりません。毎回一生懸命自分を支えてくれる腕に、思いを馳せて、無言の努力をねぎらってあげましょう。

【いつも体の左側に不調や緊張がきます】

骨盤の歪みにより体の左右差が生まれると言われていますが、骨盤が「ずれる」ことはないそうです。なぜなら、骨盤は体で一番強靭な靭帯群でサポートされており、万が一骨盤がずれてしまったら、私たちは歩行ができなくなってしまいます。ずれるのではなく、日常生活の積み重ねにより骨盤を包み込む靭帯や筋群に部分的な過緊張や過弛緩が生まれ、それによって三次元的に歪んでいるのです。(言いようによっては、四次元なのかもしれませんね)ですから、一時的に手技で骨盤の歪みを戻しても、結局は骨盤を取り巻く靭帯や筋肉の「あり方」によって、すぐにもどってしまいます。長い時間をかけ培ってきた体の歪みは、そう短時間では治りません。気長に、体をもどしていくには「アクセサリーマッスル」と言われるいつもは補欠にされてしまっている筋肉を総動員するのが一番です。

私たちには数え方にもよりますが400もの筋肉があると言われています。でも、普段しっかり使っているレギュラー選手のはそのうちの80ほど。8割は補欠なのです。でも、補欠は「チームあなた」です。補欠がちゃんと動く機会をもらえれば、何のために動くかというとチーム全体のために動きます。

レギュラーだけが大手を振って歩きながら歪みがでてしまったからだ。
補欠たちが言いたいことが言える風通しがあり、全体の調和があるチーム。どちらがいいゲームができるでしょうか。

ヨガの魔法はなにかというと、アクセサリーマッスルに「ねえ、起きて、起きて」ということです。
呼吸を送り、普段は決してしないような体の動かし方をしながら、普段使っていない筋肉が「俺の出番が来た」とうごきだせば、体は自律的(今日のコラムで一番大切なフレーズかも、です)に調和を始めます。医学用語で「ホメオスタシス」という言葉を聞いたことがある方は少なくないと思います。それは、運動神経においても同じなのです。自律的にいい動きを思い出していく。そのためには、補欠たちが「気分よく」援軍になってくれることが必要なのです。

ですので、質問くださった方には「変な動きをしてください」とアドバイスさせていただきました。おしりあるきとか、四つん這いで、お尻を動かさないで胸だけ円を描くとか、そのほか自分で発明してください、と。絶対日常生活や、自転車のシーンではこんな動きはしないだろう、という動きを呼吸にあわせてやってみるだけで、アクセサリーマッスル(普段は飾り物になってしまっている筋肉たち)は発動します。その筋群たちこそが、歪みのバランスを自律的にとっていってくれるはずです。

もちろん、ヨガは万能薬ではありません。過度な筋肉の緊張は、整体やマッサージに行ったほうがいいと思います。私も、教えるという仕事をしていると、どうしてもヨガだけで羽鳥切れない筋肉の緊張が残ってしまいます。そんなときは、プロに任せるのもヨガの教えだと思っています。でも、プロだけにまかせ、自分では何もできないかというと、自分のくせを直していかない限り、どんなにお金と時間を外部につぎ込んでもきりがないのです。バランスだと思います。両方あってよし!というのもヨガの教えですから、ヨガをしながら、自分でも工夫をし、時にマッサージプロの手を借りる、というので試してみていただけたらと思います。(ちなみに、せっかくなので私のゴッドハンドをご紹介させていただきます。目黒と池袋から徒歩でいける「マッサージ鍼灸エバーグリーン」さんは、風邪の引き始めなどもいっきに引き戻してくれます。(http://green.ap.teacup.com/evergreen2008/

【私が自転車競技者が好きなわけがわかりました】

表彰台の、あの謙虚な万歳が、何ともいえず人間らしさを感じていました。
ヨガをしながら「自転車選手たちはずっと肩関節と肩甲骨をロックさせたままゴールするから、表彰台でかっこよく万歳ができないんです」という生の声を聴きました。
姿勢がいいのはいいことですが、この謙虚な姿勢の「愛らしさ(といったら失礼なのでしょうが」が自転車のゴールの瞬間を魅力的にみせているのではないかな、と思いました。勝手な印象です。でも、確かに言えることは、競技において弱いのに日頃威張ったり、弱い人の悪口を言う人は嫌いです。強いけど、猫背ではにかむ人の方がずっと凛々しく見える。

きっと勝者たちも表彰台に上がる前に、ペアワークの子供のポーズで羽を休め、もう一人は胸を開けば、もっといい感じのガッツポーズができるのでしょうが。。人生は四次元です。私たちには時間がある。急ぐことはありません。ガッツポーズははにかみながら、そしてすべてが終わってから丁寧に自分の体にありがとう、とねぎらってあげるのでも十分じゃないかな、と思います。


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