私はヨガの基本をアメリカのヨガ指導者養成校であるYoga Fit®で学んできました。
Yoga FitRは創設者であるBeth Shaw氏によって、1994年に設立され、これまで世界中で延べ10万人以上のインストラクター育成実績を持つ全米屈指のヨガ団体です。 ヨガから宗教色を取り去り、一般市民が身近に楽しめる安全性の高いヨガ・スタイルを提案しています。Yoga Fit®ばスタジオを持たず、毎週末、全米各地のスポーツクラブや体育館などでティーチャートレーニングを開講しています。また、年に6回開催されるYoga Fit®MBF( Mind, Body and Fitness)Conferenceにはほとんどのクラスが出揃うため5日間で効率的な受講が可能です。また、シニア、キッズ、マタニティなど多彩なワークショップが用意されているため、各人の目的に応じてヨガを学べます。ヨガフィットの最大の特徴は、ポーズを単純化、モジュール化、プラットフォーム化し、基本を学べば誰でも教えられるようになっている点です。また、解剖学、運動生理学の最新の研究に基づいた安全性の検証も積極的に行なっています。
Yoga Fit®をはじめとしヨガを教えたいと思う人材の層がとても厚いアメリカでは、様々な流派のヨガが普及し、治療的側面からも最先端の研究がたくさん行われています。NIH(国の保健機構)までもがヨガの最新研究を真剣に学び始めています。国民の医療費削減の手段として戦略的にヨガを活用していこうと、医療機関だけでなくお役所や保険会社までもが人類の宝であるこのヨガという科学に取り組み始めています。 私もアメリカでのヨガの学びを通じ、本当にヨガを必要としている人たち、ヨガによって救われる可能性がある人たちがヨガを楽しめる環境作りが始まっていることに深く衝撃を受けました。そして貴重な環境で学べたことへの感謝と共に、日本にこの動きを広めていきたいと思うようになりました。
しかし、日本はアメリカのやりかたを鵜呑みにする必要はないし、模倣をする必要もありません。 「ヨガの処方箋」がもっと、ごく普通のこととして処方されるようになるには、日本に暮らす私たちが、まずその内容を理解し、平易な言葉で、簡単で安全性なやりかたで実例を積み上げていく他ないと考えています。 ヨガを代替医療として活用することに関するほとんどの研究は英語で議論されています。私たちは、英語の壁と専門知識の壁をこつこつと乗り越えていかなくてはなりませんが、乗り越えた先にはきっと多くの人々に役に立つ成果を得ることができると信じています。そういう活動を広げることで、人々の間でヨガに対する偏見がなくなり、必要と思われるようにしていきたいのです。ほかでもなく、日本の未来にとってより良い環境を、アメリカを上回る環境を築いていけたらいいと思います。 そのために、私自身も個人のレベルでできる範囲でしかありませんが、不得意な英語を活かしこれからも海を渡り勉強を続けていきたいと思っています。現在はYoga Fit®だけでなく、IAYTの学会発表や、各分野で見識の深い先生方のもとで学びを続けています。
ヨガに関する情報が氾濫し、何から勉強したらいいのかわからない、と感じている方も多いと思います。 でも、ヨガの魅力はいいとこ取りのできるところだと思います。ヨガは古代インドで生まれましたが、もはやヒンドゥー教の一部というだけではありません。キリスト教信者にも、仏教徒にも、無宗教の人々にも受け入れられています。私たちはヨガのスピリチュアルなところに重きを置いてもいいですし、適度な運動習慣という側面を重視してもいい。瞑想はヨガの不可欠な部分ですが、絶対的なものではありません。オームと唱えることに抵抗があれば、他の何か、たとえば「ありがとう」とつぶやいたっていいのです。ヨガはあらゆる人のニーズに応えられるように、改良されて活用され得るものなのです。私のように、仕事の傍らヨガを始めた者でも、これが必要だと思ったことを一生懸命やれば、なんとか道が開いていくわけです。皆さんもまず足下の一歩をあがってみませんか。目標は遥か先にあっても、そこに向かう階段の一歩目は誰でも昇れます。いつの日か、このサイトを訪ねて下さった皆様ともどこかでご縁があり、それぞれの想いを胸にお会いできることを楽しみにしています。