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父のためのメディカルヨガ:脊椎管狭窄症

2014年お正月も無事迎えられました。
MALTリンパ腫の方は特に治療もせずの状態ですが、父にとって今一番不便なのは脊椎管狭窄症で、外出するときにしんどくなって立ち止まってしまうことだそうです。

しかしこのお正月、父はある決意をした模様です。
「どこの病院も痛み止めしか出してくれない。治してくれないのは医者じゃない。あれじゃ薬剤師だ。こうなったら自分で運動で治す!」

もうひとつ父の心に火をつけたのは、年末に無料券をもらったので期待していってみたマッサージ屋さんだったそうです。盛岡らしからぬホテルのようなマッサージサロンで、父はうつぶせになって待っていたそうです。
そしたら「なんだとよ、あたためた石をおいて終わりだと!」
父は、揉んでもらうのを楽しみにしていたようです。。。
私もまだホットストーンセラピー受けたことないのに。。父にとってはただ石を乗せられた経験に過ぎなかったようです。

せっかくやる気になってくれたので、脊椎管狭窄症の症状を緩和するヨガメニューをつくり、再び帰省しました。

ひとつは、朝5分、夕方5分のストレッチのすすめです。
こんなことを書いたポスターをつくっていきました。

一日10分のストレッチを6ヶ月続けたところ血管年齢が10歳若返ったというデータがあります。
国立健康・栄養研究所 宮地元彦先生
筋肉のコラーゲンが糖化すると、血管の壁が硬くなる。
息を吐きながらストレッチで筋肉を伸ばすと、新しいコラーゲンが筋肉でつくられ、古いものが排出される。
また、ストレッチによって、血管内皮細胞から血管を柔らかくする一酸化窒素が出ることで血管を若返らせるのです。

それから、サイドストレッチ、ひねり、椅子のポーズ、Cat & Cow、ガス抜きのポーズ、両ひざ抱え(お尻の下に枕)などのイラストに書き込みをしたものを用意しました。

一年前、がんが発覚したときはリラックスをさせなくてはならないと、こんなポスターをつくっていきましたが(絵が下手なのです・・)これも今日でお役御免です。父も母も、日常生活でやってくれるようになりました。母に至っては、ボルスターを横向きにして魚のポーズ状態です。

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父は足腰を強くするぞ!と言っていたので、お正月に片足立ちのポーズをすすめてみました。
トイレに「片足立ちがつくる丈夫な背骨、いすにつかまってもよし!」と書いたものを貼ってきたのです。
そうしたら「いすにつかまってもいいのか!」それならできる、と始めてくれた模様。3週間でずいぶんなれてきたようです。常々、椅子につかまっていいんだよ、と言ってきても、本当に自分がやろうと思ったポーズでない限り、そういう情報は素通りしてしまうのですね。

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それから、夫婦共々心健やかに過ごしてほしいと思い、わき伸ばしのポーズのイラストを椅子のそばに貼ってきました。息を吐くんだよ、と吹き出しに書きました。

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足腰を丈夫にするのはこれもいいよ、と、足の間に枕を挟んだ椅子のポーズも教えてきました。

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足の間に枕をはさんで、ひざを曲げ、ゆっくりお尻を下ろしていきます。
できるだけゆっくりやってね、とポスターに書いてきました。寝たきり防止には足の内側だよ!とも書きました。

父にはこれ(子供のポーズ)が辛かったようなのですが、

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スフィンクスとベイビーコブラのポーズで背中を反らすポーズで代用するようにアドバイスしました。

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しかし、、、お腹のお肉がつかえてしまうとのこと。
同じように、キャットアンドカウをしようとしても、偉大なお腹がつかえてしまうのです。
できないことはやらない。できることを楽しくやろう、ということで、

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ひざを抱えて背骨のマッサージです。
ひざを抱えることで、腰椎の内部(脊柱管)を広げ、骨盤と腰椎の間にある筋肉もほぐします。

そのあとに、片足を伸ばし、片ひざを外側に開き、そのまま足を伸ばす(平泳ぎの足のように)動きを数回繰り返します。これによって、お尻や太股の筋肉を優しく動かし、股関節の可動域も高めます。

そのあと、お尻の下に枕を入れます。
母のように、足を天井に向けてあげると、足の疲れがとれます。

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でも、脊椎管狭窄症には、このあとにさらにひざを抱えるのです。腰の位置を高くしてひざを抱えることによって、脊柱管がさらに広がりやすくなり、腰の筋肉がさらに伸び柔軟になり、左右の股関節が均等な位置にある感覚を体が記憶しててくれます。長年しみついた体のくせを治すのはそうインスタントにはいきません。でも、楽な方法で地道に体に恩返しをしていくほかないような気がします。

ちなみに、ガス抜きのポーズ(片足は伸ばし、片足はひざを胸に抱える)ポーズも、お尻の下に枕をおいた状態でやると、もっと手応えがでてきます。試してみてください!

さて、定番の柔軟運動ですが、これもひざの下に枕を入れるといいよ、というと「効いていないきがする」というので、体が緊張している状態で伸ばしてもいいことないんだよ。弛んだ状態で伸ばすからいいんだよ。と言ったところ納得してくれました。いつも言ってきたことなのに、本人たちがやる気になってくれたときが、すっと頭に入っていくんだなーと思いました。

背中を押してあげるんじゃなくて、こうやって寄りかかると、どっちも得よ!と、ペアヨガもやってみました。ほんのつかの間ですが、相手の背中に背中を預けたとき、気持ちはふっと弛み、その弛んだ瞬間に副交感神経が体の修復をしてくれるんではないかなー、と思います。ついでに、背中を合わせるだけでも幸せホルモン「オキシトシン」がでると言われています。ハグをするのは両親の年代では難しいかもしれないけど、これぐらいなら続けてもらえるかな。

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というわけで、今年も娘は両親の生活に「適度な運動」が定着するよう頑張ります!
母がいつまでも元気で買い物に行けますように。父が大好きな競馬の馬券を自分で買いにいけますように。

脊椎管狭窄症のご家族を持つ皆様。

お風呂上がりが特におすすめです。
(1) お布団の上でひざを抱えて、ごろんごろん。背骨のマッサージです。
(2) あおむけになって、片膝を開いて伸ばす(平泳ぎの足の要領)を左右ともに繰り返す。
(3) お尻の下に枕を入れて、ひざを抱えて深呼吸(5-6回)

試してみてください!


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