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震災後の緊張を解いていくリストラティブヨガ:クラスでお話ししたこと

ヨガマットの上に座り、足を組み、一方のひざの真上にもう一方のひざがくるように足を組みます。
足を曲げるのが辛い方は、こうしてみましょう。座布団かバスタオルを2枚用意します。お尻の下に座布団(厚めにたたんだバスタオル)をいれると骨盤がたちやすくなります。足と足のあいだに座布団(たたんだバスタオル)をはさみます。
それでも辛い方も大丈夫です。ヨガマットの上に、バスタオルを広げ、腰を保護します。ごろんとあおむけになり、あおむけになった状態で足を組んで、ひざとひざが重なるようにします。この場合、ひざとひざが厳密に重ならなくても大丈夫です。何となく、組んでみましょう。

座っている方も、寝転んでいる方も、ゆっくり大きく息を吸い込みます。今度は、その吸った息を身体から全部追い出してしまうぐらいの気持ちで、息を吐き出しながら、座っている方は上半身をひざに近づけていきます。寝転んでいる方はその逆で、足を胸に近づけようとしてみましょう。吐ききったな、と思ったら、こんどはまたゆっくり息を吸いながら倒したからだを元に戻します(寝転んでいる方は、引き寄せた力を緩めます)。ご自分の呼吸のペースで、寄せては返す穏やかな波用に呼吸にあわせて身体に空気を呼び込んだり、絞り出したりしてみましょう。(2分間)それでは、今度は、足の組み方を逆にして、同じことをしてみましょう。

初心者の方も、男性の方もいるかと思いますので、今日は難しい話はなしにしたいと思います。
リストラティブヨガとは、直訳すると「もともともっていた元気を取り戻すヨガ」です。
ではみなさんに質問です。どんなときに元気がなくなりますか。緊張したとき?不安なとき?疲れたとき?マンネリ化したとき?

それでは、もうひとつ質問です。
ヨガに「リラックス」を求める方が多いご時世ですが、リラックスを司る「副交感神経」はどんなときに活性化すると思いますか?
逆に、闘ったりするときに必要だったり、緊張したりするときの神経である「交感神経」はどんなときにスイッチが入るのでしょう。

ヨガの教えにアヒムサ(非暴力)というものがあります。
そして、副交感神経は、自己肯定感が高まったときに活性化すると言われています。
別の言い方をすると、自分を否定されたと感じたとき、私たちの心とからだには、無意識のうちに緊張が走ります。
自己肯定感は、他人から自分を肯定してもらうことだけでなく、自分で自分のことを責めないということも含みます。
みなさんの生活の中で、いわゆる「駄目出し」をされるのは、みなさんがした「行為」や、これをしなくては、あれをしなくては、などという行為にまつわる考えにあると思いませんか。
それを否定されたとき、しかしながら、私たちは否定されたのは、考えや行為ではなく、私たちの存在そのものなのだ、と受けた否定を拡大解釈してしまう傾向があるようです。だから私たちの中にある免疫スイッチが、自分の存在を揺るがす環境に対して、抵抗、つまり自己防衛反応を示します。
私たちの存在(Be)そのものが脅かされることなど、普段の生活ではそうそうありません。それなのに、私たちは自分たちのDoを否定、判断、評価されやすい環境で生きています。むしろ、それこそが私たちが生きている証かも知れません。でも、あまりにもDoばかりに偏った生活で、茶道や瞑想などをして、自分のBeを再認識する時間がないと、私たちのあたまの中や生活はDoであふれ、そのことにすら気づかず麻痺した状態で時間を過ごしていくことになります。

話が長くなりましたが、みなさんの生活の中で、どんなときに「自己肯定感」を感じ、どんなときに「自己否定された」と感じますか。

リストラティブヨガとは、気持ちよいBeがあることを、知る機会を得るヨガです。よく、陰ヨガとの違いをたずねられますが、陰ヨガがストレッチを目的とするのに対し、リストラティブヨガでは、結果ストレッチを伴うことがあっても、メインの目的はストレッチではありません。なので、ポーズがとれるとれないが問題では全くないのです。むしろ、こころとからだのオープニングができたか、ということが問われるヨガとなります。

気持ちよくBe、つまり存在できているとき、私たちはとても素直で健やかな存在です。
実際思い出すことはできないので、想像してみましょう。みなさんが、お母さんのお腹の中にいたときって、どんな気持ちでしたか?
素直で、安心しきって、安らかです。

ずっとお母さんのお腹にこもっていなさい、というわけではありません。むしろ、私たちはお母さんのお腹を離れた瞬間から、この過酷な世界を生き抜いていかなくてはならないのです。頑張っていかなくてはならないという宿命を負っています。だからこそ、ヨガの教えを思い出していただきたいのです。ヨガの教えはとてもシンプルです。動いたら、休む。消費したら、回復する。吸ったら、吐く。それを、私たちは、いつの間にか、動いているのに休まなくなっているから、おかしなことになっているのです。

【不安に】バスタオルやブランケットを、帯の太さに折ります。お腹の上にふわっとかけたら、わきに空間ができないように、ぴたっとはさみこみます。お腹に対するいわば「ニヤーサ(触られたところに意識を持っていく)」手法です。

【お腹の緊張に】シャバアサナのとき、脚が伸びているとお腹は硬いままです。ヨガセラピーではおなかのやわらかさをとても大切にします。くるくると丸めたブランケットや、ボルスターをひざの下に差し入れ、ひざに角度をつけることでお腹が弛みます。

【首の凝りからくる不調に】バスタオルやブランケットで首枕をつくります。

【あおむけになると腰が痛い人に】バスタオルを長方形にたたんだものや、座布団を二枚並べたもので、腰に小さなカーブを作ります。ひざの下に丸めたバスタオルやボルスターを差し入れ、お腹を緩めるのも忘れずに。

【マンネリのリフレッシュに】逆転のポーズやひねりのポーズが一番です。でも無理をして逆立ちを練習したり、複雑なひねりのポーズを行う必要はありません。頭が心臓より下に、骨盤や脚が心臓より上に位置するようポーズを整えれば、緩やかでも長く保持できる逆転のポーズです。

【不眠、イライラ】深い腹式呼吸をゆっくり行うよう誘導するため、サンドバック呼吸が効果的です。枕などの上に大きめの本を置いてもいいでしょう。サンドバックの代わりに、市販のお米の袋2kgでもいいでしょう。

どのポーズにも共通しているちょっとしたコツは「過保護にしてあげること」です。具体的には、自分だったらここにタオルを敷いてもらったら、保護されて嬉しいな、ということを生徒さんや自分自身のポーズにしてあげましょう。

リストラティブの道具について:リストラティブヨガは道具を必要とするヨガです。リストラティブヨガの哲学だけであればもちろん道具は必要ありません。でも、道具はなぜ必要かというと、ヨガを実践する上で、効率よく楽をするためです。ですから、この道具の代わりにこれで代用できる、というものはたくさんあります。むしろ、自分が用意できるもので、使えるものはないかを考える視点を持ちましょう。


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