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タバコを吸っているとヨガでめまい、息切れがするわけ

タバコはまず、肺気腫の原因となります。肺気腫とは、呼吸細気管支と肺胞が拡張し、破壊される疾患です。肺胞とは、酸素と二酸化炭素を交換する組織です。肺胞が拡張と破壊を繰り返すとからだを動かしたときに息切れや息苦しさを感じてくるようになります。

またもうひとつの犯人は一酸化炭素です。一酸化炭素は赤血球のなかのヘモグロビンと結びついて、一酸化炭素ヘモグロビンになります。本来は酸素と結びつき、全身に酸素を運ぶべきヘモグロビンが、一酸化炭素と結びついてしまえば、特に運動時には酸素運搬障害が引き起こされ酸素不足の状態におかれる。そうなると、めまいを感じるわけです。(一酸化炭素については下記*もご参照ください)

ヨガで禁煙を試みる、となるとまた別な議論となりますが、少なくともタバコを吸っているとヨガの楽しみは半減してしまうかもしれませんね。

私自身の考えでは、太古の昔から人は嗜好品をやめられなかった。それが人間の姿だと思います。ただ、それが過度な異存になったりすることで、自分や他人を追いつめるほどであれば、少し触れ幅を小さくする努力をした方がいいのかな、と思います。

人の欲望に善も悪もありません。ヨガもしたいけど、タバコも吸いたい!ということ自体は否定されることではないと思います。ただ、やめるには自分が煙草を吸ってしまうくせ(サンスカーラ)に気がつくところから始めなくてはならないと思います。

*一酸化炭素について

炭素が燃焼する際、酸素が不十分な環境で不完全燃焼を起こすと発生する気体。

炭素を含む物質が燃焼すると二酸化炭素(CO2)が発生しますが、酸素が不足している状態で不完全燃焼を起こすと一酸化炭素が発生します。
血液中のヘモグロビンは酸素と結びついて全身に酸素を運ぶ役割をしていますが、一酸化炭素は酸素に比べて200倍以上もヘモグロビンと結びつきやすい性質を持っています。このため、一酸化炭素があるとヘモグロビンは酸素と結びつくことができず、血液の酸素運搬能力が低下してしまい、酸素不足に陥ります。これが一酸化炭素中毒です。
 
一酸化炭素はたばこの煙にも1%から3%ほど含まれています。ニコチン、タールとともにたばこから発生する有害物質の代表的なものとして「たばこの三害」などと呼ばれます。一酸化炭素とヘモグロビンが結びついた一酸化炭素ヘモグロビンの体内での半減期は3、4時間程度なので、頻繁に喫煙する人は慢性的な酸素欠乏状態となり、ひいては赤血球が増えるなどの影響もあります。ニコチン、タールなどだけに目が向きますが、実はありふれていても恐ろしい、”サイレント・キラー”のようなものは、この一酸化炭素かもしれません。ます。また一酸化炭素は血管の動脈硬化を促進するともいわれています。吸気中の一酸化炭素濃度は簡単に測定でも、喫煙の有無の目安として用いられます。


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