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慈悲と妊娠期間:必死なお母さんたちの本能を理解する

母親学級では、赤ちゃんの抱っこの仕方や入浴の仕方などのテクニックを教えるのではなく、妊娠中のお母さんや産後のお母さんの心のケアを大切にしてほしいと思っています。心のケアの仕方にテクニックがあってもいいと思います。

お母さんが心底まいってしまったら、赤ちゃんのお世話なんてできなくなってしまうからです。

どういうテクニックかというと

「うまくできないのは自分だけじゃない」
「自分は今、赤ちゃんを守ろうという本能で、余裕がない」
「自分を守ろうとしていることは悪いことじゃない、それは赤ちゃんを守りたいという気持ちの現れだから」
「休むことは罪悪感じゃない、むしろ義務だ」

ということに気づかせてあげることです。

赤ちゃんのお世話や家事がパーフェクトにできないことで、自分は出来の悪い母親なのだと自分を責め、
赤ちゃんのことも大事だけど、自分の食べたいもの、やりたいことが奪われてしまっている不自由さに不満を持つ自分はなんて思いやりがなくエゴむき出しの母親なんだろう、と自分を責め、
休んだら負けだ、休むことはさぼることだ、と思ってしまっているまじめなお母さんのなんと多いことでしょう。むしろ、みんな赤ちゃんを守らなくては、という本能で自然とまじめになってしまっているのではないでしょうか。それが悪いことではきっとないでしょう。でも、そのことによってお母さんたちが自分で自分の首を締め、ご主人や家族にまで心配をかけてしまったり八つ当たりをしてしまうとしたら。。

皆が可哀想ですよね。

まわりの方の、お母さんに対する心のケア、サポートというのは、お母さんの辛さ、さみしさ、自分を責めてしまう気持ちを思い計ってあげ「辛いんだよね」と理解に努めて上げることから始まるのではないかと思います。実際、その辛さはわからないかもしれません。でも、自分が辛いことをわかってもらっている、というだけで、一切根本的な解決はなかったとしても、どんなに気持ちは楽になるでしょうか。

もちろんそんなことは、子育て一年生の夫婦には最初からわかることではないと思います。
私の主人も、最初はお皿を洗ったり、ゴミ出しをしたりとかで手伝うことが大事だと思っていたようです。もちろんそれは助かりましたが、もっと私が嬉しかったのは「お母さんは今大変だから、航ちゃん(息子)、お母さんに優しくしてあげようね」などの声がけでした。自分が辛いのだということをわかってくれている人が地球上にいると感じるのといないと感じるのでは、世界の見え方が全然違うと思います。

それでも、本能的に自分と自分が守らなくては行けない命を守ろうとしているお母さんは、必死必死。本人がそう思っていなくても、動物の親子のテレビなんかを見ると、いかにどんな動物のお母さんもぴりぴりしているかわかると思います。子供が小さいころのお母さんってそういう生き物だから。周りの人もそれを理解して、お母さんにはすごく優しくしてあげてほしいなあと思います。

もちろんお母さんの側もそれに甘えてばっかりではいけないけど、でも、大切にしてもらうと「よし、頑張らなくちゃ」という気持ちもわいてきます。ヨガの教えにある「アヒンサー(非暴力)」。ひとはやっぱり、傷つけられるとできることもできなくなるし、大切にされると力が湧いてくる。

大切にしてあげる。わかってあげたたいと思ってあげる。
まずは自分のことを。そして、一番身近な人のことを。
それこそが「慈」ヨガの練習ではないかな、と思います。
そのあたりを「子育ての心を楽にする」母親学級のテーマに取り入れてもらえたらいいのにな、と思います。


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