メディカルヨガコラム
メディカルヨガHOME > コラムトップ > ヨガが役立つ未来 > 妊婦さんの最重要任務は休むことといいつつ、わかる休めない人の気持ち

コラム記事カテゴリー

症例別ヨガの処方箋

ヨガ×スポーツ

ヨガが役立つ未来

ヨガの素敵なお話

ヨガはやさしいリハビリ

リストラティブヨガ

オンライン講座 好きな時に学べるヨガセラピー

メディカルヨガ公式サイト

ヨガが役立つ未来

妊婦さんの最重要任務は休むことといいつつ、わかる休めない人の気持ち

妊娠9ヶ月を前に、まだつわりがあり吐いています。慣れたとはいえ、やや堪えます。
そして、また先日過労で救急病院と点滴と抗生物質のお世話になりました。

検査をしましたが、デング熱でもインフルエンザでもなく、身体の抵抗力が落ちて、細菌に勝てなくなってしまっている、とのことでした。確かにいろいろ気持ちの上でストレスがたまっていたようです。

妊婦さんの最重要任務は休むこと、と言いながら、助産師さんに「休みなさい」と怒られてしまいました。

助産師さん:「休みたいとき、頼れる人はいるの?」
私:「はい、出産のとき、実家の母がきてくれる予定です」
助産師さん:「それは、今でしょ、今」
私:(流行だな・・・)
助産師さん:今こそ、すぐにご実家にお電話して、何もかも忘れて休みましょうよ。何も心配事、ぜーんぶ人に預けて、まずは3日間、3日休みましょう。

産休に入っても企業勤めではないので、仕事とまったく縁を切るわけではありません。むしろ、自分が「やらねば」という気持ちでやっています。中には正直しんどいな、そろそろ手を引きたいな、と思う仕事もないわけではありませんが、勝手に責任を感じ、中途半端ながら続けてしまっている仕事もあります。逆に、やりたいから、これは産む直前までやりたい、ということもぼちぼちやっています。仕事というのは当たり前ですが正直で、いやいややっていることではミスをしたり、心がこもっていないせいか、いろんな人に迷惑をかけてしまっていることもあります。心のどこかで「しんどいから勘弁して」と思っている気持ちと、「いや、やらねば、」という気持ちがアクセルとブレーキを同時にふかしてしまい、内部を乱しているのでしょう。

お腹に命が宿ると、どうしても自分の手のひらの上にある幸せをじっと見つめるようになります。ささやかだけど、この小さな幸せ・・仕事の後ろ髪はひかれるけど、今は目の前の小さな幸せを守りたい、そういう本能が働き始めてしまいます。

説得力がまったくありませんが、妊婦さんは開き直って休んだ方がいい。そして、そんなときには中途半端に仕事にしがみつかない。やりたい仕事だけやりたい、というのはそもそも勝手すぎなのです。(←自分に言っています)仕事には責任も伴うものであり、それはストレスになります。自分がやらなきゃ、と思うのはわかりますが、自分がやらなきゃ、といって身体を壊しては、赤ちゃんやまわりで心配してくれる人たちにに対する責任を果たしていません。

とはいえ、仕事だけでなく家事もちゃんと人に任せて、と言われたところで「自分がやった方が綺麗にできる」とか「相手に甘えすぎて悪いなー」とか、「これ、自分、甘え過ぎだぞ」とか、思ってしまいます。体のことを考えれば確かに助産師さんがいうように、甘えてしまった方が負担は減ります。でも、甘えられない気持ちもよくわかります。

これは、甘えさせてもらえる環境があるかどうかが問題ではなく、自分が「甘えててはだめロック」を外せるかどうかにかかっているように思います。自分さえそのロックを外せれば甘えさせてもらえるのに、自分がロックを外さないままでいるだけなのです。このロックを外せない気持ちがよくわかるだけに「妊婦さんよ、休みなさい」という言葉だけが上滑りしてしまう現実もよくわかります。

いくらマタニティヨガに通い「妊婦さん、リラックスしましょうね」と先生に囁かれて帰ってきても、やっぱり女の人は責任感が強いのか、家に帰り、山積みの家事をみれば、さあ、私がやらねば、になってしまいます。

ロックを外してあげるにはどうしたらいいか?!
例えば、助産師さんの母心の一言は、私に数日間「ロックを外して甘えるのだ!」という気持ちを起こさせてくれました。でもそれは、甘えられない自分を客観視できたからかもしれません。私もそうだったように、甘えられていない自分、ロックを外せないでいる自分に、たいがいは気づいてさえいないのではないかと思います。

きっと、仕事のこと、子供のこと、親のこと、心配事を放棄してと言われてもできない妊婦さんはたくさんいると思います。そして、それらを放棄することなんてやっぱりできない。だけど、放棄できないなら、せめてちょっとだけロックを外すこと、それはとても大切なことのように思います。
ヨガができることはリラックスではなく、自分がいかに意固地になっているか、強がっているかに気づき、素直な心で人の助言を聞けるような自分に戻してくれることかもしれません。

マタニティヨガで妊婦さん、リラックス、なんて言ってますが、これも上滑りしやすい言葉です。
そして、様々な執着を手放せず、「リラックスできたら苦労しないよ!」と一番もがいているのは私のような気がしています。


ページのトップ