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妊娠中の不定愁訴に:個人的なケース

妊娠中の不定愁訴対策にこれが効いた!というものは本当に人それぞれだと思います。
今回の二人目妊娠は体力的にも精神的にもハードでしたが(と、弱音を吐きますが)
腰回り(腰痛、恥骨仙骨痛など)や足のむくみについては極めて楽でした。

特別にやったことではないのですが、日常気を付けたことで思い当たることをかいてみます。

(1) 階段の昇り降り

長男が生まれてから引っ越した今の自宅はメゾネット。とにかく毎日、階段の上り下りでした。洗濯物をとりにいくのに降り、ものを片付けるのに昇り、おかーさーん、と呼ばれて降り、人生、降りたり昇ったり、という気分になってしまうほど、階段生活でした。結果、もちろん割れた腹筋の妊婦さんではありませんが、内股の筋肉やインナーマッスルが鍛えられたのかな?臨月、片脚立ちで靴下はけてます!

(2) 目指せ!カンガルーのお母さん

動物園のカンガルーのお母さんは、赤ちゃんをお腹に入れてぐうたら寝てるだけなのですが、野生のカンガルーが赤ちゃんをお腹に入れながらすごい跳躍をするのを見て、見習わねば、と思ったことを覚えています。しんどい、と思うたびに頭にカンガルーのお母さんの姿がちらつくのです。

(3) とにかく歩く

これは長男のときもやったのですが、日常生活内で骨盤内の血行を良くするには歩くのが一番(もちろんヨガなどによる骨盤の動きもいいのですが)
長男のときはひたすら平地を歩きましたが、今回はこれに(1)の階段と、幼稚園の送り迎えの坂道がありました。一歩一歩歩くたびに、骨盤の赤ちゃんに新鮮な血液と空気が届けられ、排出されるんだ、と思うとウォーキングが楽しくなりました。骨盤の中、子宮は赤ちゃんにとってのゆりかご。弾力があって血流がいい方がきっと気持ちがいいだろうな、と思うのです。今回は9ヶ月までお腹の張りもほとんどありませんでした。血流がいいと子宮の壁も柔らかいんだそうです。逆子対策にお灸をしたりするのも、お腹の血行を良くするためなそうで、そうそると壁が柔らかくなって、赤ちゃんが楽な位置に戻りやすくなるのだそうです。お腹の壁が硬いと、赤ちゃんが「こっちに行きたいのに、いけない!」ということになって、逆子のままになってしまう可能性が高いのだそうです。お腹を暖め柔らかくする方法はほかにもたくさんあるとは思いますが、歩きやすい靴を買って楽に歩く、これは簡単にできる胎内環境への有効投資かもしれません。

(4) 水を良く飲む

羊水はどんどんつくられ、どんどん捨てられるとのこと。ならば、我が子にいつも綺麗なお風呂に入っていてほしいものだと、お水をたくさん飲もうと頑張りましたが、実はこれ、心理的には結構しんどかったのです。ただでさえトイレが近いのと、風邪を引いて咳き込んだときの尿漏れにより、気持ちは保守的に。自分との闘いでした。

(5) ボディオイルで薄い膜

最初は妊娠線予防のため始めたオイルでしたが、アーユルヴェーダの先生から、妊婦さんはヴァータが乱れるから、と言われ、それには全身にオイルを塗るのがいいと言われました。精油の知識がないので使ったのはシンプルにアーモンドオイルでしたが、何よりそんなに高くない。お風呂上がりにうっすらと体全体に膜を貼るように伸ばすだけで、まず肌がしっとりします。こころなしかつわりや気持ちの乱れも少し軽減されるようでした。台風のようなヴァータの乱れ感がゼロにはなるわけではありませんが、8-9レベルが、5ぐらいにおさえられる感じです。今思えば、ココナッツオイルを使ってみるのも良かったかな、と思います。

(6) リストラティブヨガでひたすら休息

今回は本当に体調が悪かったので、ベッドで横になっている時間が多く、少しでも楽をしたくてベッドの上にはいつもボルスターをおいていました。横向きのシャバアサナで休むのももちろん背骨が自然に配置されて楽なのですが、頑張ってちょっと一手間、枕を重ねた上にボルスターを斜めに立てかけ、腰から上をボルスターに預けるだけで、胸が開き、腰回りに空間ができ、足は軽く曲げて組むと股関節が緩み(お布団で膝の下を支えて、オーバーストレッチ(開き過ぎ)にならないようにしました)軽くあごをひくと、あっという間に気分は天空?ふわっとしながらもヴァータの乱れのようなものが落ち着いていく感覚がわかりました。ヴァータとは、アーユルヴェーダでいうところの傾向のひとつですが、これが乱れると地に足がついた感覚がしないと言われています。妊婦さんは寝てばっかりいるのでさぞかしグラウンディングしているのだろうと思われがちですが、実はこのヴァータこそが乱れやすいんです。上記のようにオイルで膜をつくることもヴァータを落ち着かせるには有効ですし、リストラティブヨガで本当の意味で沈み込んでいくような感覚からヴァータを沈めていくことは有効だと思います。寝てりゃいーやのゴロ寝ではヴァータは全然おさまりませんでした(疲れは全然とれませんでした)。

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できたのはこれぐらいでしたが、実際は臨月まで続いたつわりと嘔吐、産休に入ってからの気持ちの落ち込みなどで、実は第一子よりずいぶんしんどい妊娠期間だったのですが、いいこともあれば辛いこともある期間、他の妊婦さんより楽なことも多かったんだろうな(腰痛がない、夜中に足が吊らない、体重が増えない)その原因はこれだったのかな、ということを書いてみました。

体重については、つわりもあったからだと思いますが、そんなに食べなかったわけではないです。吐いていたのは空腹時に胃酸と胆汁で、三食はしっかり食べていたのですが、妊娠9ヶ月まで妊娠前より2.5KG増のみ。今臨月で、ラストスパート、食べるスポーツの要に食べていて、4KG増ぐらいまでなりました。前回は体重が増えないようにかなり気を使っていたのですが、今回は苦労知らず。こんなこともあるんだなーといい勉強になりました。

辛かったことは、書き留めて残せばたくさんありますが、前の妊娠で辛かったことも(1つ2つをのぞいては)忘れてしまっています。忘れてしまう、というのは人間が持つ素晴らしい能力の1つなんだ!ということも学びでしたので、今回もきれいさっぱり忘れてしまおうと思います!いいことだけ覚えていられたらきっと幸せです。

これから更年期も迎えますが、更年期予防ではなくて、更年期準備、と考えたら気は楽なのではないかと思うのです。避けられないのなら、予防するのではなくできることをしておく。たぶん、体調が悪ければ、足腰は弱ることでしょう。容姿の衰えも気になってくるでしょう。ヴァータの乱れ(地に足がついていない感覚)で、不安感にも襲われることでしょう。それには、日頃から鍛えておく足腰や大腰筋、肌をオイルでしっとりさせておくこと、うわっ、気持ち悪い、と思ったらまずはリストラティブで休んでみること、などは使えそうです。

(おまけ) しみ対策:トランジーノ

妊娠中はシミが濃くなる、と聞いてましたが、実は私自身普段からあまり気にしてませんでした。ただ、目尻のしわがちょっと気になってきたので、近所の薬屋さんの特売日に何となく買ってみた美白保湿クリームが意外と効いたようです。夏にガッツリ日焼けをしてしまった割には、このクリームで秋には戻りました。お化粧をしないので、40代、これからはちゃんとこういうケアを続けていかないと、といい経験になりました。

(おまけ:その2)インフルエンザ予防接種

私も知らなかったのですが、インフルエンザの予防接種は妊婦さんでも受けられます。効果が出るまでに3週間かかります。ワクチンを打っても、インフルエンザにかからないわけではありませんが、重症化を防ぐことができます。水銀フリーのワクチンが妊婦さん用に用意されています。出産ギリギリに打つのではなく、36週ぐらいまでに打っておくことが望ましいそうです。我が家も11月に入り、皆が風邪をひき、ひやっとしました。妊婦さんがインフルエンザにかかってしまい出産を迎えるのはかなり大変らしいですし、産後かかってしまうのも、赤ちゃんとお母さんの大切な時間を奪ってしまいます。
ついつい思い込みで、妊婦さんはインフルエンザ打てないんじゃないか、と思っている方も多いと思いますが、1つのご参考になればと思います。


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