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産後クライシスとヨガ:誰だって居場所が欲しい

(1)アーユルヴェーダの考え方ではヴァータと言いますが、地に足がついていない状態は心身の不調を招きます。だからヨガでは、足の裏や背中で大地を感じる「グラウンディング」という手法が使われます。

産後、居場所がなくなっていく夫の姿を描いた「残念な夫」というドラマがありましたが、人間みんな居場所が欲しいんだということを知っておくことは一つの教訓だと思います。家に帰ってきてからゴロゴロしているご主人の言い分としては「居場所がないからここにいるしかない」かもしれません。家に居場所がないから会社にいる方が楽。それが奥さんにとってみれば、なんで家に寄りつかないのと。会社では尊敬されているかもしれないけど、家では尊敬されていないのよあなたは、ということになる。
居場所はご主人が日頃からつくる努力をするべきなのでしょうか。それとも家族がご主人の居場所を用意してあげておく思いやりが必要なのでしょうか。その両方でしょう。ご主人はちゃんと迎えいれてもらえるような努力。家族はお父さんいなくても平気だもーんではなく、お父さんを少し頼りにしてあげる。

そうでないと、お母さんはお父さんの居場所をなくしてしまうし、居場所のないお父さんは家にいても居心地が悪い。地に足をつけられない、それはヨガ的なおうちではないのです。

居場所をつくってあげること。
みんながちゃんと居場所があること。
それが家庭だったら、嬉しいですね。
居心地が悪ければ、居心地のいいところ、ちゃんと自分がグラウンディングできるところを探して、逃げていくこともあるかもしれないのです。人間にはそういう本能が備わっている。

(2)それから、産後クライシスがあっというまに進行してしまうのは、人間が「慣れ」の生物だから。必要とされなくなれば、その方が居心地がよくなる。お母さんとこどもたちも、頼りにしなくなっていくと、いろんなことがお父さん不在でもできるようになっていく。

ヨガの教えには「慣れ」に気をつけよ。というものがあります。慣れちゃうと感じなくなる。だから、慣れないように、いつも新鮮な気持ちでいられるように、心や体に逆刺激を与える、という工夫なのです。うつむきがちだったら反ってみる。忙しかったら静かな時間を持ってみる。

慣れてしまっていることに気づくためには、自分とちゃんと向き合う時間をとることが必要。それはとても勇気が要ること。認めたくない自分の姿を観察しなくてはならないから。とても苦しいことかもしれない。

あなたはどんなことに慣れてしまっていますか?

(3)もうひとつ、産後クライシスの対策としてのヨガの知恵があるとすれば、一方的なものの見方に風穴を開けること。
産後の特徴は、夫婦共に新しい状況に直面し、余裕がなくなり、戸惑い、お互いが限りなく自分の見方しかできなくなっている。相手の立場に立って日記を書いてみる、というのも一つの手でないかと思います。


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