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メニエール病、めまいにヨガでのアプローチ

からだを動かすと、目で見た情報、耳の中で完治された体の傾き、移動や回転、体中の筋肉や関節から得られる位置や圧などの複数の感覚が脳でまとめられます。からだを動かすたびに変化するこの情報を元に、脳は指令を出し、体は重力に対しどんな姿勢でバランスをとるか瞬時の判断があり、体の揺れが最小限になるようにコントロールされています。この奇跡的なバランスの仕組みに変調を来したときにおこるのがめまいです。

例えば、乗り物酔いはなぜ起こるのか、自らコントロールできない受動的な移動空間に置かれると、脳は危機的状況を記憶にとどめ、いち早くその状況から脱出せよと警戒警報のように不快症状が誘発されるのです。乗り物酔いの症状が出ているときは、ストレスホルモンの分泌が高まっていることが研究でわかっています。

ストレスによって引き起こされるめまいも、理性を司る大脳新皮質と、生存や本能に関係する視床下部や大脳辺縁系とのバランスが崩れたときに、理性ではおさえきれない感情や体の悲鳴として、内耳感覚器に働きかけていると考えられています。それが消化器に影響すれば過敏性腸症候群に、循環器に働けば不整脈に、脳に働けばうつやパニックになる可能性もあるわけです。

メニエール病は我慢を続ける人に多いと言われています。報酬が不足すると心のバランスシートが赤字になり、投資を続けられなくなるのです。男性にとって報酬不足と感じるのは差別人事や同僚の出世などがあるでしょう。女性にとっては自分の気遣いに対し相手が相応の配慮を欠くことが耐えられません。男性の皆様、女性の皆様、こころあたりはあるでしょうか。

しかし心労の激しい患者さんを心療内科に紹介しても満足度が低いことが少なくないそうです。話をじっくり聞いてくれるのではなく、すぐに3-4種類の薬を飲んで様子を見ましょうと言われてしまうからです。根本的な治療をするためにはその薬を今度はやめるところから始めていかなくてはなりません。

最近は薬ではなくカウンセリングと生活習慣の改善がメニエール病に提唱されています。
まず、一人一人の話を聴くこと。
睡眠をしっかりとって脳が自律的に整理をしてくれるライフスタイルに改善すること。
心が報酬不足だと感じないように、ハードルを下げること。つまり、手抜きを覚えること。
気晴らしをすること、物の見方を変えること。違った視点を持てるところに身を置くこと。そして、めぐりをよくするために運動をすること、が今は奨められているようです。

ヨガは実はこの多くを網羅します。シャバアサナやヨガニードラ、リストラティブヨガでは脳を休めることができます。無理をしてはいけません、楽をしましょう、と教えられます。前屈をして視点を変えることもできます。激しくはありませんが、血の巡りをよくする運動です。そして、脳のバランスを整える、これには深くゆっくりとした呼吸が効果的です。ヨガは、体や脳のSOSに「大丈夫だよ、心配することないよ、落ち着いて」というメッセージを送ってくれるのです。だから、めまいだけでなく、過敏性腸症候群やその他、原因が不明、あるいはストレスによって引き起こされるといわれる自律神経の乱れによる様々な症状に働きかけてくれるのです。

(参考文献:薬も手術もいらないめまい・メニエール病治療 角川新書 高橋正紘先生)


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