出張で訪れたロサンゼルスのLA Yoga Magazine にダライラマ14世のインタビューが載っていました。
簡単にご紹介します。
ダライラマ師の活動の3本柱は、
(1) 人の尊さと正しい倫理を普及すること
(2) 宗教同士の調和
(3) チベット仏教、文化の保存
だということです。
正しい倫理を普及する、についてですが、信心が有る無しにかかわらず、現在主流となっている宗教はどれも皆、愛を説いている。だけど、私たちの仲にある愛を活かすためには、わたしたちはしっかり赦しと寛容さを身につけなくてはならない。
チベットは平和、非暴力、慈悲の文化です。このような文化の必要性を、科学者、心理学者、仏教リーダーたちを交えて議論されているそうです。仏教のコンセプトと量子物理学には驚くほど共通点があるからです。それだけ、平和、非暴力、慈悲は、私たち人類の存続にとって必要なのです。
今年は師の80歳の誕生日です。今もなお健康を保つ秘訣は、朝3時に起きて瞑想をしていることがあるそうです。毎日平和で穏やかな心を保つためにです。なぜなら、平和を壊すような考え方は、間違った認識から来るからです。だから、瞑想をして認識をクリアにすることが大切なのだそうです。
実は師はヨガの実践者でもあります。でも80歳の身体で無理はされないそうです。片鼻呼吸法や他の呼吸法の練習をすることで、80歳でも元気な心肺機能を保っています。健康な身体のために呼吸法をしているけど、それは、健康的な心づくりにも役立っている、と師はおっしゃいます。
ヨガの先生へのメッセージは、ヨガはUnionだという根本を大切にしなさい、ということです。私たちは同じ人間で、感情や問題を持っている。だけど、平和な心で、人間の叡智を活かし、本来持っている慈悲の心をつかうことで、お互いに助け合って行きていける。それを引出すのがヨガの先生の仕事です。
正しいことを「指導」しようとするのではなく、一人一人が持っている優しさや、輝き、素晴らしさを引出してあげること。それには無理にポーズを強いることよりも、呼吸や瞑想を誘うことの方が近道なのかもしれません。
わたし自身も、ヨガセラピーのクラスの優先順位は「気づき」「呼吸」「動き」だというお話をしています。言葉の使い方も、動きを促すことからではなく、まず気づきを促すことからだと思っています。
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