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医師がヨガを語る(アメリカのシンポジウムにて:2016年)

Amrita Mclanahan 医師は予防医学、栄養、ストレス対策、家庭医学の分野のアメリカでの第一人者であり、ディーンオーニッシュ医師とともに、生活改善が健康にもたらす影響についての文献に貢献を続けてきました。

アメリカではベンソン博士のリラクセーション反応などの研究の裏付けもあり、医師がヨガの良さを自分の言葉で語ってくださいます。

ヨガではポーズのことをアーサナと言いますが、今回のスピーチで印象的だったのは「スマイル・アーサナ」という言葉でした。健康って笑顔のことよね!と彼女は言いました。

「私は医師として、シンプルなストレッチをちょっとするだけで十分なリラックスになることを、やってみて驚いたし、これははっきりいって薬だ、って思ったの。一度経験すれば、誰でもそのことがわかると思う。」

ヨガのいいところは一度覚えるとSustainable (サステナブル:持続可能)なことね!

ヨガはストレッチ、呼吸、深い休息、瞑想、そして視覚化(ビジュアリゼーション)などからなるけど、それぞれがもたらす効果効能は、Pub Med (アメリカの医学図書館の研究文献データベース)にどんどん学術論文が蓄積されています。ヨガに関するものだけで、3000近く、瞑想やマインドフルネスに関するものだけで1200近くあります。

それから、最近の特徴は「社会的なつながりやサポートグループが治療や回復の質に及ぼす影響」にも注目が集まっていることです。ヨガではこれをサンガといいます。そもそも、ヨガという言葉の持つ意味が「Togetherness (結びつき)」でもあります。

さらに、Pub Med で説明されているヨガのメリットや、代表的なヨガのポーズがもたらす効能について、説明してくださいました。

また、こちらではヨガティーチャーという言葉よりも、ヨガプラクティショナーという言葉の方がよく使われます。ヨガを教える人ではなく、ヨガを自ら実践し、その良さを謙虚に伝えていく姿勢が尊ばれています。(別なコラムで書きますが、Emergence と Humility という言葉が最近のキーワードです)また、ヨガセラピーという言葉と同じぐらい セラピウテックヨガという言葉も使われています。

これは、これからヨガ指導者の資格を持っていることよりも、実践でき、ヨガが必要とされている現場で持続可能なプログラムを提供できる人材を育成していく必要性を示唆しているように思います。医療の現場にいる人たちが自らヨガの良さを体感し、教えるのではなく、一緒にやりましょうと伝えていく。その方向性を確認できました。

彼女はいつも「Don’t worry, you are happy ! Let’s cultivate it 」というそうです。人間の本質にはもともと幸せや健やかさが備わっているのだから、それを掘り出しましょうよ!といっています。シンプルに人間の可能性、人間らしさを信じる態度に、ヨガが全世界に広まっていく普遍性の秘密があるように思います。

日本の医療者の皆様にもヨガの持つこのようなシンプルな側面を体感していただき、治療や回復の過程に役立てていっていただけるよう、ヨガをわかりやすく気持ちよく伝えていきたいです。


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