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ヨガと科学の最新潮流そして倫理(2016年シンポジウムにて)

私が毎年International Association of Yoga Therapists のカンファレンスに参加しているのは、単にヨガセラピーのテクニックや科学を学びたいからだけではありません。臨床研究やテクニックは今やインターネットでいくらでも情報収集はできることでしょう。

参加を続けて私が一番心を打たれたのは、この協会がヨガセラピストとはどうあるべきか、という姿を真摯に追求し、同じ志を持った世界のセラピストたちが倫理観高く活動できるようなフレームワーク作りに力を注いでいる姿でした。

私も今年から、日本のメンバースクールとしてミーティングに参加させてもらえていることをとても光栄に思っています。

カンファレンスは大きく分けて午前の部と午後の部があり、午前の部は朝7時からのモーニングクラスに始まり、9時過ぎから全体でヨガセラピーの「今と未来」を切り取った講演を聞きます。午後の部は自分の興味のあるジャンルを選択し、実技とともに様々な知見が得られるのが魅力です。

今回の午前中の講演のひとつに、ヨガセラピーのこれからの展望についてマシューさんが話してくれました。マシューさんはとても体が大きく、日本人では体が大きい方の私が行ってもいつも見上げるように話すのですが、本当に太陽のような笑顔で話してくれます。頼りになる親分肌のような存在です。

今回、ひまわりの写真を使って、ヨガセラピーのことを説明してくれました。私たちはヨガのセールスマンではないし、生徒は対象物(オブジェクト)ではない。謙虚に(Humility )創出(Emergence) をしていくものなんだ、という説明をされました。

「ヨガセラピストは、ヨガの哲学と練習の方法を共有する方法を学び、一人一人の人生に健やかさを育んでいく。」

「ヨガを通じて、悲しみや苦しみを抱えている人に寄り添い、クリエイティブな問いかけをしながら新たな視点をもたらす手伝いをしていくこと」

そのために必要なのは水やりであり、光であり、土壌であり、時間であり、その命に対し謙虚に育てていくこと。命の神聖さに感謝と謙虚な気持ちを持つこと。

それによって私たちは人々の心に「平和」という潜在的無意識を共有させ、平和な社会を目指していけるんだ、というお話をしてくださいました。

また、ヨガの効能を裏付ける5つの科学的なトピックとして、次のものをあげています。

(1) エピジェネティクス

(2) ダーウィニズムへの懐疑と微生物ゲノム

(3) 心と体の双方向性

(4) 神経や脳の可塑性

(5)  社会的行動のバイヤス(偏見、先入観、刷り込みの一種)

これらは、しばらくお休みすることになりますが、私自身「脳と神経のヨガ」のカリキュラムで熱く語っていたトピックだったので、よかった、私の探求してきた方向性はそんなに間違っていなかったのかな、と嬉しくなりました。

そして、私たちのビジョンを伝えていく能力を育んで行こう、というメッセージで講演は結ばれましたが、日本人として日本人らしく、そして確実な倫理観のもと、ヨガというセラピーの普及を志す人々が力を束ねていけたらいいと思いました。

そんな思いを抱かせてくれる毎年のカンファレンスとそれを企画する人々に心から感謝したいと思います。John, Debra, 来年もまた志高い日本の仲間と参加しますね!

2017年はアメリカ西海岸のニューポートビーチで6月の15日-18日に開催されます。14日出発、20日日本帰国、という日程になると思いますが、18日の正午でカンファレンスが終わり、帰国便は翌日のお昼頃ですから、ディズニーランドやロサンゼルスに立ち寄ることも十分可能です。参加に興味がある方は、ぜひ日程を開けておいてください。

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