アメリカのヨガセラピストたちの学びの土台になっているのが、ベンソン博士の「リラクゼーション反応」です。
簡単に言うとリラックスは体にいいよね!ということを医学的に検証してくださっているのですが、ヨガもやり方によって、リラクゼーションの一つになりえます。
リラックス(relax)とは「リ」(re)と「ラックス」(lax)というラテン語の複合形です。
「リ」は再び、「ラックス」はラテン語で「ゆるんだ」の意味ですので、「リラックス」はラテン語で「再びゆるめる」という意味となります。
リラックスの対義語となる緊張「テンション」(tension)の(tense)はラテン語で「時」の意味があります。
太古の昔から、私たちは時の概念に畏れを抱いてきました。
時間があるから、私たちは命の限界を知り、命に限界があるから、芸術を楽しんだり、恋をしたりしてきたのでしょう。
一方、瞑想などによって時間の意識がなくなれば、緊張もなくなることになります。
リストラティブヨガではシンボリックな意味で、腕時計を外します。
ウトウトと今の時間に溶け込み、時間のない意識状態になることができればリラックスできるからです。
リストラティブヨガに限らず、呼吸や今の体に意識を向けることで、時間の概念から自由になることは、私たちから不安や後悔の気持ちを遠ざけてくれます。
一般的なハタヨガのクラスでは、私たちの体を緊張から弛緩に導きます。この、緩める、ゆるし、という言葉にも繋がっています。「ゆるす」という言葉は、「ゆるし(緩)」が語源、つまりゆるしてあげるとは、自分や他人を緩めてあげること、でもあるのです。ゆるすことができない人は、自分の思い込みや決め付けでガチガチです。ゆるめることができないことが続くと、体が悲鳴をあげ、様々な症状として現れることがあります。心や体からの「ゆるめて!」というメッセージは、「赦して!」つまり、ありのままの私を許し、認めて!」というメッセージのような気がしています。
夫婦喧嘩や親子ゲンカ。「絶対許せない!」と思うこともあるかもしれません。でも、その感情をずーっと持ち続けることは人間としてできないように思います。体の方から悲鳴をあげるでしょう。許せないかもしれないけど、ちょっと緩めてみようかな。そんな気持ちになる、スイッチとしてヨガの練習がきっと役に立つような気がしています。「ま、いいか」「ま、しかたないか」「ありのーままのー自分でいいの」は体にいいのです!