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コントロールを手放してみる:クルーズコントロール

幼少期の友人は決して信じてくれませんが、私はしっかり車と共に生活しています。
私も自分がまさか高速道路を運転したり、首都高を乗り継いで地方まで足を伸ばしている自分は想像できませんでした。

東京に住んでいたときも運転しなかったわけではありませんが、結婚してからは助手席の女に甘んじていました。しかし、地方転勤は女を強くする。今は9割が私がハンドルを握り、生活のほとんどに車は欠かせません。

もともとは、運転そのものへの憧れがありました。
Honda のモノづくりに心酔し、S2000のフォルムやイメージに一方的に恋し(ミーハーですが)マニュアル免許を取り直しに教習所に通い、クラッチを踏みながらギアを一つ一つ上げていくことや、坂道発進にワクワクしながら、おそらく前後の車に多大な恐怖を与えながら、マニュアル車を運転するのが生きている実感のようなところがあった私でした。もちろん出産してからはツーシーターなど乗れるはずもなく、主人の両親に愛車を預かってもらっています。夫婦で乗り出せる日はいつになるのかわかりませんが、今や生産中止になったS2000を手放せないという、ヨガの先生にあるまじき執着の塊です。

クラスではコントロールを手放しましょう、といいながら、なかなかクルーズコントロールを使えずにいました。(アメリカにいたときは、使っていたような気がしますが、使い方を忘れてしまいました。)

東京での仕事に車で行くことも少なくなかったのですが、ついにクルーズコントロールに挑戦することにしました。主人にサービスエリアから電話し「どうやるの」と素直に教えを乞いました。
高速出口を出るまでに、アクセルもブレーキも触らずに、なんという「刺激 / 反応」のなさ!
一回だけ、ブレーキを踏みました。前の車との距離が測れないシチュエーション、それはETC、ゲートに100kmで突っ込んでいきそうなときは、やはり自動運転の今時点での技術限界を感じましたが、それ以外は非常に頼り甲斐がある。

頼ってみるものだな。
なかなかそう思えないことが多い日常に、ヨガは頼ることの大切さを教えてくれるはずなのです。子供のポーズにしろ、犬のポーズにしろ、いや、どんなポーズでも安定させるところはさせ、委ねるところは委ねる、そんな感覚を教えてくれるのがヨガなのに、実生活ではなかなか委ねてみること、信じてみることはこんなにも難しいと感じます。

実際やってみればわかるのに。
ヨガは実践の学び、といわれる所以ですが、
行う前からなんだかんだ理屈をつけてしまうのが人間の傾向なのでしょうか。
自動車運転の場合、失敗から学ぶ、ということは難しいですが、
今、多くの技術者の取り組みの賜物として集大成されたテクノロジーの恩恵に、今まで頼ろうとしなかった自分の頑なさに、改めて驚きました。
だけど、何かの拍子に頼ってみようかな、と思うのは、それももしかしたら仕組まれたタイミングなのかもしれません。

いつかどこかできっと役に立つ。委ねてみるという練習。コントロールを手放してみるという経験。


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