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ヨガセラピーに静かなヨガや瞑想が必要とされる理由

鬱や不安、情緒の安定に効くヨガの本質
うつや不安神経症、何をやっても駄目だった方に
静かなヨガを試してみませんか

ヨガセラピーとは、心や体の問題のために、体の動きや呼吸を使っていくことです。

私たちの心と体は、綿密な連携プレーで感情のアンバランスを引き起こします。
生理前の不調のように、体の要因が先行することもあるし、ショックな出来事やストレスなど、心が先行することもあります。

体は私たちが思う以上に、正直で賢いものです。
私たちの物の見方は、体に反映されます。自信がないときは猫背になりますし、意欲がないときは内腿に力が入りません。そして、思い出したいことは、私たちの体は神経の宝庫だということです。

いろんなことにスピードと効率が求められ、半ば無意識の中煽られるように暮らしている私たちが覚える不安は、私たちの心や体を急がせます。用もないのに運転中でも携帯をチェックしなければ気が済まなかったり、電車の何両目に乗ったら良いか、考えて行動してしまいます。

そんな現代に、もちろん音楽に合わせてテンポよく行うヨガも存在します。スピードを持って行えば、カロリーもより消化します。

しかし、実際、ヨガの経典であるヨーガスートラにも、ポーズへの言及は3回しかありません。
ヨガにおいてポーズをとる目的は、瞑想状態に入りやすくするためであり、ヨガの哲学の根底にあるものは「非暴力」すなわち、存在を否定しない、ということです。

現代において、動かすことが主とされるヨガの練習に、瞑想とリラクセーションを取り入れるだけで、実際には体(神経)に大きな変化が起こるのです。

つまり、心や体の改善の目的にはどんなヨガが効くか、ではなくどんなヨガをどのようにやるか、を考える必要があります。

不調を変えていきたいと考えるときに、知っておいた方が良いことがあります。それは「体は急激な変化が嫌いだ」ということです。

ご存知の方も多いと思いますが、私たちの体には「ホメオスタシス(恒常性機能)」があり、私たちが急激に変化しないように神経が拮抗したりホルモンが放出されたりしています。
むしろ、スピードで反応するのは心の方です。私たちの脳は危険を察知すると警報を出しますし、一般的に心ゆったりするよりは焦ることの方が多いでしょう。なんでも完璧にやらなくてはいけないという強迫観念に駆られたことはないでしょうか。変化に抵抗する体とうらはらに、心はスピードと完璧を求めるのです。

私たちの心と体に共通して存在するもの、それは心理学では「反復脅迫」と、ヨガでは「サンスカーラ」と呼ばれる、行動や考え方のくせ、根付いて変えられないパターンです。

そのパターンを変えていくことは、実際容易ではありません。
皆さんも、癖を治すことができているでしょうか。

ヨガセラピーは、そう思われがちですが、処方箋やゴールではないのです。
それでは何かというと小さなパーツに分けて、少しづつ練習していく「プロセス」なのです。
それゆえに、ヨガセラピストにはアドバイスではなく、根気強く見守り寄りそう姿勢が必要なのです。

ヨガセラピーにおいて大切なことは、一足跳びに改善を求めることではありません。
効き目のあるポーズに取り組んだかどうかということではなく、ポーズへの取り組みを通じ気づきを重ねていくというプラクティスこそが功を奏しているのです。その過程で、マインドフルネスと呼ばれる、未来や過去に振り回されるのではなく「今ここへの気づき」もあることでしょう。

鬱や不安の時、物事をスローダウンできないこと、これが慢性化(サンスカーラ)を引き起こすのです。

このような学び方を「スキャホルディング」と言います。足場作り、と言われることもあります。それは、その場限りの知識ではなく、生涯信用でき、持続可能でフレキシブルな知識です。

ヨガでは体を動かすことで、脳のGABAレベルが上がることが知られています。GABAレベルの向上は確かに不安とうつの予防になります。実際、ヨガの動きによって体が呼吸とつながることは気持ちよく楽しいことです。だけどそこにメンタルヘルスを目的としたトレーニング要素を加味できるとしたら、ヨガはもっと必要としている人に歓迎されるのではないでしょうか。

つまりそれは、静かな呼吸のリズムやマインドフルネス、ゆっくりとした呼吸などです。
それを伴わないクラスでは、せっかくのヨガの良さを見逃してしまうことがたくさんあるでしょう。

持続可能な癒しとは、

(1) 神経のアンバランスを整える
(2) 呼吸を安定させる
(3) 直接の経験を大切にする
(4) 心を静かにする
(5) 一人一人の物語を変えていく

これらのことは、すべて動きが激しいだけのヨガでは満たされないものばかりです。

道具で胴体や四肢を支え、体にかかる重力の負担を最小化しながら、五感の刺激をもシャットダウンし、脳や神経への信号を減らすことで、呼吸と自らの存在だけに意識を向ける時間を味わうリストラティブヨガというものがあります。リストラティブヨガは瞑想そのものではありませんが、瞑想的であるといわれます。つまり心に浮かんでくる考えを静かに観察する時間持つことができるヨガです。道具の力を借り、体への負担を減らし休ませるため、体に直接良い影響を与えてくれます。リストラティブヨガはおそらく最もカロリー消費は少ないのに脳や神経に対しては、最もパワフルなヨガと言えるでしょう。

ヨガセラピーとして紹介していくポーズが、非常に簡単で呼吸や観察に重きを置いているものであることや、リストラティブヨガを活用したものであるのはこのような理由からです。


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