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エビデンスに基づいたヨガセラピーの普及と実装に向けて

一般社団法人日本ヨガメディカル協会のメンバーで、普及と実装(D&I )研究の勉強会への参加を続けています。

Dissemination and Implementation Science(普及と実装科学、通称D&I科学)は、様々な研究デザイン、方法論を用い、患者、保健医療従事者、組織、地域などのステークホルダーと協働しながら、エビデンスのある介入法を、効果的、効率的に日常の保健医療活動に取り入れる方法を開発、検証する学問領域です。

医療、公衆衛生活動に、エビデンス・ベースド・メディスン:EBMの概念が導入され、エビデンスに基づく介入法が、ガイドラインとして示されるようになりました。しかしながら、ランダム化比較試験などで有効性が示された介入法が、現実社会の診療やケア、公衆衛生活動に速やかに取り入れられ日常的に実施されているとは必ずしも言えません。そのような背景から、近年、欧米を中心に普及と実装科学についての議論が活発になっています。

(国立研究開発法人 国立がん研究センター 社会と健康研究センターHPによるRADISH説明より抜粋)

第三回RADISH研究会にて行われたグループワークで、「これからのD&Iに期待すること」として我々が参加したグループの意見を下記まとめました。

【認知を高める】
  • D&I という概念について、定義をし、広く認知を高めること
  • 認知が広がることで、専門分科会もできていく
  • 認知が広がることで、社会的必要性が認められ、予算がついていく
【知識をまとめる】
  • 研究手法をまとめた教科書があると良い
  • 既存のエビデンスやレビューをまとめたもの
  • 成功と失敗のエピソード事例
  • 既存の方法論や概念との関連
【多職種連携への活用】
  • 多職種連携に挑戦するきっかけ
【エビデンスの理解の普及】
  • 医師や研究者しか知らないエビデンスを、患者さんや家族が知れるものに
  • 患者さんや家族への直接的メリット
  • 情報を共有できる方法論の工夫
【行動変容】
  • 人が変わるプロセス(行動変容モデル)
  • 人の生活・日常習慣を変える
  • 他のライフスタイルへの影響
【DE-Implementation 】
  • エビデンスがないのに誤った、あるいは不適切な治療法が普及している場合の、その排除への取り組み
【専門教育】
  • 人材育成プログラムへの実装(教育)
  • 医師の経験を型にする論文の作成
  • ケースのグルーピング(B2B, B2C, B2B2Cなど)

エビデンスも大切ですが、少しづつエビデンスが蓄積されてきているヨガにおいては、エビデンスを必要な人に届けていく取り組みも並行していく視点も大切に思います。

次回は、2020年、6月21日に京都大学で開催されるとのことです。


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