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臨床試験最先端:第11回臨床試験学会に参加して

ヨガセラピーの臨床試験を支援していただける医療機関と研究を進めていくに当たり、私自身も臨床研究についての勉強を始めています。

「ヨガなど研究しても意味がない」という声もありますが、患者さんの役に立つために取り組んでいることなんだから応援します、諦めないでという先生方の声に支えられています。

医療の現場においては、これまでの治療と極めて同様に患者さんに価値を届けられるかということが問われます。

これまで見落とされていた患者さん中心のアウトカムがあることを証明したいと思っています。

ヨガは明らかに今の医療システムに組み込むのは難しいものです。しかし、ヨガで行なっていることは、基礎研究の集合体でもあります。

  • 呼吸 vs 呼吸が浅い状態
  • 運動 vs 運動不足の状態
  • 休息 vs 休息不足の状態
  • 内観・客観視(マインドフルネス) vs 内観・客観視不能の状態

これらの統合によるWell being へのエンパワーメントがヨガセラピーで行っていることです。

海外では治療のガイドラインなどに「スピリチュアル」が入ってきています。スピリチュアルは科学と対極にあるものかもしれません。しかしそれは、裏を返せば、病気をすると、スピリチュアルに苦しくなる、という声が多いということだと思います。

なぜか。自分のありのままを肯定することが難しくなるからではないでしょうか。病気になったからと言って、命に間違いはないのです。

だけど、どうしても、何が原因だったのか、自分の何が悪かったのか、自分の人生を否定されたように感じてしまうこと。それが、スピリチュアルを揺るがせるのだとしたら、自分に対し、自分は何も悪くなく、ありのままを受け入れるプロセスを経験させることに、役割はあるのではないかと思うのです。

そして、心と体がつながっていることを考えると、病気に影響が出ない範囲で体を気持ちよく動かしたり、緊張を解いたりすることで、心のこわばりを解いていくこと、なども必要ではないかと思うのです。

下記は、学会に参加して私が自分の備忘録のためにまとめたものです。

情報は正確を期すよう努力しますが、わたしはまだ臨床研究の専門家ではありません。勉強中の過程で書いている備忘録であることをご理解ください。また、情報に基いて行動し、損害を負われた場合における責任は一切負いかねます。何を用い、また用いないかという決定は、お読みになる方ご自身の責任のもとにお願いいたします。また、こちらはルナワークスのHPであり、協会やその他団体とは一切関係ありません。

【在宅での被験が可能な時代に】

  1. e-Source, e-concent, Virtual Trial などの技術の実用化、法整備に伴い、負担の軽減
  2. SDV(Source  Document Verification) のモニタリング費用低減
  3. 研究機会の創出

などが可能になる。

ウェアラブルデバイスを用いる際の、被験者のアカウント作成、同期、動作確認、データの有用性などの確認プロセスが必要となる。また、在宅化に伴い、複数の実施協力施設との連携も必要となってくる。

これからの医療は「患者中心」がキーワードになってくる。

全てを電子化するのではなく、人が必要なところに労力を注力していくことが必要になります。

患者が新しいテクノロジーやデバイスをどれだけ受け入れられるかも確認が必要だが、実際の現場では、説明することが想像以上に難しいという壁が立ちはだかっている。

患者中心であるからこそ、説明から理解に至るまでのコミュニケーションの必要性がさらに増してくる。

【新しい臨床試験】

  1. 患者経験 Patient Experience
  2. 患者テクノロジー Patient Technology
  3. Decentralized Critical Trial (DCT)

患者の声を取り入れた治験はまだ少ない。なぜなら、知識の高い患者が必要となるから。その患者は、自分の治療だけでなく、社会全体に向けた治療の向上の必要性を感じ、さらにデジタルリテラシーがある人材となり、見つけるのが困難である。

e-Concentも実用に至っているものの、患者のデジタルリテラシーが追いついていないため、普及はまだまだ。

計画段階からDCTになっているものはまだない。

【ランダム化比較試験の限界】

参加した人には効いたかもしれないが、参加していない人はどうなんだ?という問題。

今後、電子カルテやビックデータの導入で、やっていない人との比較も可能になるかもしれない。

【ICH統計ガイドラインE9】

Estimand という概念

臨床試験の目的は、被験者を保護しながら、重要な問いに答えること。

信頼できる情報を生成し、意思決定を支援すること。

目的を達成するためには、科学的な原則に従って、デザイン、実施、解析されるべき。

  • Quality by Design
  • 前向きで他分野にわたる手法
  • そのためのコミュニケーション
  • 不必要な複雑さやデータ回収は回避すべき

が問われる。

【GCPガイダンス】2019年7月改定

  • 品質マネジメント
  • 適切な時期
  • 目に見えてシンプルにわかりやすく
  • ステイクホルダーへのプロセスの明確化

【患者参加型試験の意味】

患者や患者団体など幅広いステイクホルダーからの助言を得ることで、意味のあるエンドポイントを決定していくことができる。

適切な被験者選択、対照、期間などにも寄与する。

米国の患者団体は、患者の立場で臨床研究を推進、科学的な視点で評価、提言を行なっている。

 

【難病を対象とした研究】

難病自体が、日本独特の表現である。

英語では、Rare Disease Orphan Disease

Orphan とは孤児の、とか孤立無援の、という意味

患者人数は決して少なくないが、無視されてきた。

しかし、当人たちは病気と闘いたい(闘病)わけではない。闘うのではなく、人生を楽しむことを望んでいる。

キーワード

  1. プロアクティブケア
  2. シェアリング
  3. エンパワーメント

プロアクティブケア、というのは、悪化を予防する手立て。先回り、先制医療とも言われる。自然歴を踏まえて、定期検査、ケアを積み重ねていく姿勢。

患者さんや家族と、労力をシェア、データをシェア、成果をシェア

エンパワーメントを訳すとしたら、啓蒙は上から目線すぎると考える。啓発、という意味合いに近い。人々に夢や希望を与え、勇気付け、本来持っている素晴らしい生きる力を湧き出させること。

希少疾患の研究は、一年では差が出ない。かといって5年プラセボを行うのは倫理的ではない。それゆえ、患者レジストリと、自然歴を用いた研究が期待される。(自然歴:その病気をほおって置いたらどうなるか)しかし、自然歴は時代、基盤的治療、国の福祉制度によっても異なる。

 

【エンドポイントに考えさせられた話】

薬の効果だけでなく、生活の動きやパターンに合わせたほうがいいよ、という、10歳の男の子の患者さんからの手紙。

例えば6分間歩行も疲れ方によって歩ける距離は違ってくるから。

【新しい治療の時代】

早期診断・治療の技術進歩

効果の最大化

プロアクティブケアに上乗せ

リハビリのコンセプトを変える

新薬の一企業の市販後調査では対応できない時代*

遺伝子治療への対応

啓蒙活動

*核酸薬品を個別にオーダーしていける時代が、やがて身近になってくるはずだ。

https://directorsblog.nih.gov/tag/milasen/

新しいことを始めるには、抵抗があるのが常。

リスクゼロの医療はありえないからこそ、リスクとベネフィットのバランスを取っていくことが大切。

【予算申請書の書き方のコツ】

リサーチクエスチョンだけでなく、治療が実装された後の世界のビジョンを描く。

ニーズ歳情勢を踏まえ、新規治療が実装可能かを試される。

患者中心の持続可能な治療を目指していく。

【つまづき先生】

医師が見たいエンドポイントと、承認のためのエンドポイントが必ずしも一致するとは限らない。

医師だけでなく、CRCヤ事務局スタッフとの面識ができることが円滑な運営に有効であった。


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