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おおらかさという薬:父のためのメディカルヨガ その後

初めて父につきそって、血管内科に行きました。
父は、病名を告げられたときに先生が口ではなく医療冊子に線を引くかたちで説明されたことをずっと気にしていて、ハワイのあと、次の検診までの期間が長いことも心配していました。その間に、肩の辺りの痛みが強くなってきたので、痛み止めと湿布をもらいに病院に行きました。
私からすると、そんな小さなこと気にしなくてもいいのに、ということまで気になって仕方がないようでした。

診察室に呼ばれ、東京から娘が帰ってきて、と紹介してもらい、父が聞いてほしいといっていたことを効率よく質問しました。病名は確かにMALTリンパ腫、年齢のため進行は遅く、薬で治療し体力を落とすリスクよりも、無治療で様子を見るので十分だということ。肩こりは、痛み止めで和らぐようであれば、病気が原因ではないこと。むしろ、緊張して暮らし続けていることによる肩こりの可能性が高いこと。一番の薬は心配しすぎず、楽しく気楽に過ごすことだということ。鍼は控えた方がいいが、マッサージは問題ないということ。それを先生の口から聞き、私が反復することで、父の心の中にもすっと入っていったようでした。

診察室の外で孫の航一と待っていた母に、お父さんの不治の病の名前がわかったよ、と言ってみました。
「神経質」「特効薬はおおらかさだって」と言ったら、安心したように大笑いしていました。

でも、母も一度がんを患っているので、心配で仕方がない気持ちはよくわかると言っていました。
そして私も、世の中には父と同じように、病気そのものではない怪物におどされて暮らしている人が少なくないはずだと確信しました。

おおらかさという薬は薬局に売っていないかもしれませんが、気持ちを落ち着けるには深くゆっくりした呼吸が効果的だという人類の知恵は広く知られています。科学的にも検証されています。
ご病気を患っている方、ご家族の方には、ヨガ教室で、その薬が手に入ることを多くのことに知ってほしいですし、ヨガ教室が足をあげたり奇異なポーズをするだけの場所ではない、ということも知ってほしいです。
病気の方も、無理のない範囲でからだを動かし筋肉を維持することも大切です

父は安心してまたマッサージに通うことにしたようです。
どんなかたちでもいい、リラックスできる時間が生活にあることはとても大切だと思います。
競馬に行きたいからスクワットも頑張ると言ってくれました。

父の不安に的確に答えてくれ、安心させてくださった主治医の先生にも感謝です。

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