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子宝をのぞむヨガ、そのハードル

ヨガ不妊症に効くというけど・・・ヨガスタジオに行ってみたけど私にはついていけそうにない、みんなヨガに夢中な人たちばっかりで退いちゃう・・・ヨガの何が妊娠に効果的なのかがよくわからない・・・そういう不安から、ヨガはまだ、十分にその効果を実感してもらってはいないと思います。 

なぜなら日本には、まだ、そのような方々が安心して通える 
  • 子宝のためのヨガクラス 
  • 男性のための子宝ヨガクラス 
という教室が数えるほどしか存在しないからなのです。 

日本のヨガ界は、ヨガの先生やヨガの愛好家たちが牽引している世界ですが、北米ではNIH(国家保健機構)が中心となり「ヨガセラピー」という学問領域が、ヨガの持つ補完・代替医療としての可能性の研究、検証発表に日々取り組んでいます。

ヨガのよさを十分に学んできた私たちがこのような患者さんたちに、ヨガ界の内輪の言葉ではなく、誰にでも分かる平易な言葉でヨガを紹介し、ヨガへの入り口に誘ってあげることからはじめて行けたらと思います。


不妊治療のためのヨガは、特殊な流派でも、行法でもありません。未妊の方々の心と身体の状態を妊娠しやすい状態にいざなうための、初心者向けのヨガのポーズや呼吸法が中心となります。だからこそ、未任の状態にある方々の心と身体の状態、傾向の理解に努めることなくして、原因と考えられる身体のくせにアプローチしていくことは難しいのです。 

また、私たちはどうしても、自分たちが普段当たり前のようにできるポーズを教えようとしてしまいがちです。しかし、未妊の状態でヨガ教室のドアをたたく患者様は、ほとんどがヨガに対して初心者です。初心者の人がどうやったらヨガに偏見や先入観を持つこと無く、安心して取り組み続けることが出来るか、ということも考えていく必要があります。 

ヨガを学んできた私たちにとって、ヨガスートラや八支則やアーサナの達成はとても崇高なものです。しかし、目の前の未妊という状態に心悩ますクライアントたちにとっては、心と身体のレスキューが何よりの急務です。そのような概念まで、詰め込まれる余裕がありません。

ヨガは単なる体操ではなく、呼吸と動きを連動させ、さらにそこに心の平安に向けたメッセージを乗せた楽しみです。ですから、ヨガを楽しむときのエッセンスを、ごく普通の人たちが普通の言葉で共有できるような問いかけをしながら、クラスを進めていくことも大切です。 


また、ヨガセラピーは治療である以上、決してクライアントさんたちの心と身体に無理があってはいけません。ヨガでは無理をしない、自分のペースで、といくら言ったところで、まじめな日本の生徒さんたちは、まじめな故に知らず知らずのうちに無理をし、先生と同じポーズをとることに夢中になってしまいます。

ヨガを楽しむ上で、気をつけるべき7つのポイントをクラスの中で、生徒さんたちとの共通認識に高めていくことができれば、その人にとって難しいポーズは簡略化したポーズで置き換えるという判断も下せるようになってくるはずです。 


肩に力が入り、呼吸もそこそこにしかできないぐらいきついポーズをいくらとったところで、ヨガが本来持つ効能を十分に享受することはできません。いわゆるポーズの完成形、と言われるところを目指し、楽に呼吸を楽しめないのであれば、あるいは顔から笑顔が消えてしまうのであれば、ポーズの難易度を半分まで落とし、そこで自分が最大限に味わえる気持ちいい呼吸と、優しい微笑みでヨガを楽しんだ方がよっぽど充実した時間を送ることができます。 

そのためにも、不妊治療のためのヨガを始めとする「セラピー:治療」としてのヨガの指導者には、指導ではなくむしろ「理解」「受容」「誘因」という視点が求められます。
また、不妊治療は出口が見えないトンネルと言われるほど、当事者の方々にとってはとても不安でストレスがたまり、そして「赤ちゃん」という言葉にすらとても敏感になっています。そういう事情に対し理解に努めようとすることも大切です。夫婦間の問題で悩まれているカップルも相談にくることでしょう。  

不妊という、とてもデリケートなテーマに対し、ヨガが何ができて何ができないのか。
そして、できることをちょうどいいほどの大きさの声で伝えていくにはどうしたらいいのか、これには答えがありませんが、随時開講しておりますワークショップがみんなで考える場になればと思います。

ヨガが授かり待ちにいいらしい、という期待を胸にヨガスタジオの扉をたたく生徒さんに、優しいヨガをお伝えいただける先生に、北米ですでにはじまっている「授かり待ち治療への取り組みとしてのヨガ」をお伝えし、普及にご協力いただけたらと思います。


私の講座は資格ではありませんので、インストラクターとして働かれている方のみならず、ヨガの素晴らしさを誰かに伝えたい、という想いをお持ちの方、これから学んでいこうという方にもご受講いただけたらと思います。本当は、男性の不妊のお悩みに対しカウンセリングを行っていきたいというヨギーの方々をもお待ち申し上げております(私自身もカウンセリングをお受けしております)とても難しいジャンルであることは承知の上ですが、授かり待ちの要因として、日々のストレスに苦しむ男性要因の確率がどんどん上がってきていることも事実ですし、残念なことだと思います。


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