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【シリーズ産後うつ-2】女性の大義名分

危険のサイン:正義が一方的になったら要注意

産後鬱、マタニティブルー、産後クライシス、すべて産後女性の情緒不安定が大きな要因とされています。特に産後クライシスは、女性が働いている場合より状況は深刻化すると言われています。家事負担の不平等などが大きく響いてくるからです。出産を経た女性は非常に責任感が強くなっており、出産前できていたことがしっかりできない自分が許せません。「なんで私ばっかり」「私はこんなに頑張っているのに」「あなたは役に立たない」と感じる瞬間がどんどん増えていきます。
でも、正義がエスカレートしたら要注意です。夫婦の関係というのはお互い様だ、辛い時もお互い支え合い、ということは結婚の誓いの時に理解してしているはずなのに、自分のことで精一杯のこの頃にはすっかり頭から抜け落ちています。
情緒不安定で疲労が溜まっていながらすべてをこなそうとする母側にかかる負担は相当なものですが、その負担の代償として、罵られ、嘲笑われ、暴言を吐かれ、無視される男性側も、辛くないわけはないのです。

これまでの産後クライシスをめぐる議論では、男性の無神経さ、頑張れなさが女性の不満を掻き立てる、とされていきていますが、男性が努力や気遣いをできないといういうわけではありません。自らの持ち場ではしっかりと頑張っている方がほとんどだと思います。だけど、女性にとっては自分の利害として映る姿しか目に入ってこないのです。

妻の大義名分

たいがい妻の方に大義名分はあります。家庭のことを一生懸命やっているのは、多くの場合女性の方だからです。そこに、潤沢な支援があれば別です。問題は「孤立無援の状態で」体を張ってこなしているということです。

現に、1日夫に子育てを任せたら、家がゴミ屋敷のようになっていた、という経験をした女性たちは少なくないのでしょうか。だけど夫たちは言います。僕は頑張ったんだよ。どうしてほめてくれないんだい。久しぶりに遊んでくれた子供たちにとって、家が散らかっていることなど問題はありません。お父さんお父さんと喜ぶ子供たちを見て、妻たちは微笑ましく思う、とはいきません。「いいとこ取りしないでくれる?」

しかし、女性が満足するほど気がきく夫などいないことでしょう。大概の場合、妊娠前から家事の主導権は女性が握っています。家事のプロとしての訓練が土台からして違うわけです。もし男性が女性以上に気が利き、重箱の隅をつつくように口出しをしてきたらどうでしょうか。ヨガの教えとは「別な見方を持つ」ということでもあります。確かにズボラかもしれないけど、細かいことに気がつかないでくれるからこそ、楽をできていることもあるかもしれません。
多くの母親が出産後、ご主人に「私はあなたのママじゃない」と爆発するそうです。だけどもしかしたら「この人は私の子供なんだ」と思ってしまう方が気が楽になるかもしれません。
いずれにしても、頑張っているのに評価してもらえない夫と、不満足が積み重なっていく妻との間の溝は埋まるどころか、広がる一方です。平行線ではありません。男性の方が早々と戦意喪失するケースが多いようです。しかしその姿こそが妻の怒りをさらに燃え上がらせます。

 

【産後に働くことは本当に女性の権利なのか】

 

環境が変わるのに変化を拒む女性たち

 

早々と仕事に復帰した女性の場合、さらに負荷がかかります。
自分なら大丈夫できる、と前向きに自分を信じて復帰する女性がほとんどでしょう。だけど実際、出産後の女性のホルモンが安定するには1-2年かかるのです。つまり、出産後2年、赤ちゃんが2歳になるまではまるで月経前症候群のように、情緒不安定な時期が続く可能性が高いということです。そのことは、検索すればちゃんと説明があります。だけど、しっかり理解している女性はとても少ないという印象を受けます。

妊娠中の働き方についても、妊娠前と同じように働こうとする女性がほとんどです。

しかし現実は、本人は良くても周りの人のフォローが大変になってしまうケース、本人も精神的に非常に不安定なことがあります。ホルモンの変化で気持ちが揺れやすい妊婦さんは、人から受ける言葉に必要以上に過敏になってしまうこともあるでしょう。職場に妊婦さんがいると気を使ってしまうという男性も多いと聞きます。女性の中にも、妊娠している女性と働く不安定さに振り回されていると感じている人は少なくないようです。妊娠経験がある女性は大変さを理解できるから、ということはあるかもしれません。男性女性問わず、妊娠をしている女性と接することに全くストレスがないことはないと思います。

妊娠している女性のもつ危うさ、それは敬遠する気持ちだけではなく、やはり「何かあっては大変だ」との気遣いも含まれていることでしょう。しかし実際、妊婦さんに接するたびにびくびくすること自体がストレスです。社会として、生理が変わっていくのに本人だけ「変わりたくない」と思っている女性と一緒にいることは、やはり何かしらの軋轢を生むのだと思います。

妊娠を告げられたら「働き方を変えるべき」ではないかと思います。

確実に環境が変化するのです。女性の心と体、そしてライフスタイルは妊娠前と異なります。繰り返しになりますが、妊娠中の体調の不安定さ、そして最も見落とされている産後2年間の表面に見えない不安定さ。それを自覚し変化に適応しようとしている女性はとても少ないように思います。しかし人の傾向として、何かを変えようとするのには勇気がいるものです。前と同じようにきっとできる、このままいけるはずだ、と思いこんでしまうことこそが、その後女性の首を絞めることになっっているのではないかと思います。

シリーズ産後うつ-3に続く)


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