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ヨガの先生トライアスロンに挑戦する(第一子 Story ) – 3

《適切にトレーニングすれば何歳からでもからだは変わる》

主人が初めて挑戦し,完走したカリフォルニアのワイン畑(ナパ・ソノマの近く)で行われたVineman(ワインマン)で,わたしは衝撃な瞬間を目にしてしまいました。それは92歳のおばあちゃんのゴールです。その前にも続々、78歳や82歳のおじいちゃんおばあちゃんがゴールをしていました。その事実すら、見続けているうちに当たり前に思えてくるのは,アメリカという国のトライアスロン層の広さゆえなのでしょう。冷静に考えれば、どうしてその歳で2kmも泳ぎ、90kmも自転車をこぎ、20kmも走れるのでしょう。しかもその自転車は、足をペダルに固定したクリップオンです。どうしたら転ばないで走れるの?

しかし一方で、何歳からでもトレーニングすればからだは変わる、ということは聞いていました。そして、わたし自身もヨガは何歳からでも始められる、高齢者には高齢者のヨガの楽しみ方がちゃんとある、ということを伝えたくてシニアヨガの普及に努めていました。

トライアスロンは、意外と40代、50代から始める人も多いとも聞いていましたが、もともと体力に自信がなかったので、わたしは40代を超える前に始めないと、と思いました。

《ヨガとは命と季節(自然)を大切にするという考え方》

ここで、ヨガが受けている誤解を解いておきたいと思います。ヨガというと足をあたまの上に上げて、オームと唱えるものだという先入観があるかもしれません。でも、それはヨガの一側面でしかありません。ヨガは5000年前から今に伝わるインド医学の一手法です。その考え方は、命と季節を大切にした暮らし方をしましょう、というものです。そのために、普段から適度な運動をし,呼吸を整え、自分自身としっかり向き合う時間をとりましょうと説いているのです。現代の私たちの暮らしは,運動不足、呼吸は浅く早くなり、過多な情報に振り回されています。ヨガでは自然のリズムに逆らうことなく暮らしましょうとすすめます。季節には季節の食べ物をいただき、からだが休む時間になったら休ませる。私たちは年中人工的につくられる食べ物を口にし、体内時計に逆らった生活を余儀なくされています。

ヨガで勧める運動の仕方はこうです。

早起きをしましょう。からだを起こすためにも運動をしましょう。昼間の運動は暑すぎてばてないように注意しましょう。夕方の運動は悪くありませんが、眠れないほどやり過ぎないようにしましょう。そして、ちゃんとからだを休め回復する時間を確保しましょう。

《鍵を握るのは呼吸だった》

ヨガがあらゆるスポーツのパフォーマンスに及ぼす影響で最たるものは,呼吸法です。呼吸法こそが集中力や、筋運動、心肺機能、持久力を高めてくれます。

ヨガが他の体操と区別されるのも呼吸法です。ポーズをとるときも,瞑想をするときも、深くゆっくりとした呼吸を意識します。この深くゆっくりとした呼吸が、私たちの心身の健康にいろいろよい影響を及ぼしてくれるのです。

《口を開けて練習しても何もならない》

わたしが運動が嫌いだったのは、苦しかったからです。小学生の頃,長距離走を走らされ、口を開けて苦しそうに走っていました。短距離走を走ったあとは、心臓がばくばくし、口で息をしていました。スポーツジムでトレッドミルに乗ったときも、時間がたつにつれ無意識に口をあけていました。

しかし、口呼吸は本来「緊急時の呼吸」なのです。本来、人は鼻で呼吸するように生まれてきました。口で呼吸するときはどういうことかというと、からだが驚いて呼吸を必要とするときです。 赤ちゃんは驚いたときは口で呼吸をして泣きます。それ以外は鼻呼吸です。それがだんだん、生活の中でストレスを感じるたびに口でする呼吸の回数が増えていきます。 私たちは大人になるにつれ鼻呼吸を忘れてしまうのです。

呼吸の深さも関係あります。 口でする呼吸は,どうしても深くなり得ません。浅い呼吸は肺の上の方しか使いません。深い呼吸は肺の下の方まで使います。肺の上の方にはどういうセンサーがあるかというと「緊張してね,興奮してね」というメッセージをおくるものです。一方肺の下の方にはどういうセンサーがあるかというと「リラックスしてね、安心してね」というメッセージをおくるものです。

運動時に口で呼吸することは何を意味するのでしょうか。それは、からだに対するストレス信号と、換気効率の悪さです。口で呼吸をしている人は苦しそうです。

ヨガの先生トライアスロンに挑戦する(第一子 Story ) – 4 に続く


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